導入事例

社内ブログの素朴な疑問、悩みを導入企業に直撃[08/08/01]

社内ブログ活用研究会 番外編レポート
「社内ブログの素朴な疑問、深い悩み、導入企業に直接聞いてみよう!」
日 時 2008年8月1日
主 催 株式会社CIJ
参加者 社内ブログを既に導入している企業、導入を検討している企業など、計19名
ゲスト
ブログジョッキー
□株式会社セプテーニ・ホールディングス 広報・IR室 馬野 雅和様
□NEC 企業ソリューション企画本部 主任 (enNetforum EGM-WG所属) 八田 光啓様
□株式会社リクルート 進学カンパニー メディアプロデュース部 金澤 真美子様
ファシリテーター 株式会社CIJ
 株式会社CIJでは、昨年1年間を通して、社内ブログによる情報共有のあり方を考える「社内ブログ活用研究会」(全6回)を開催してまいりました。今回はその「番外編」として、3人のブログジョッキー※の方に、ブログ活性化のコツ、導入効果などについて直接質問することができる座談会を開催いたしました。本レポートでは、その座談会で披露されたナレッジの一部をご紹介いたします。

※ブログジョッキー:以前、この研究会にご参加いただいたベストセラー「ブログ道」の著者 久米信行さんが命名されたものでディスクジョッキーやビデオジョッキーと同様に、良いブログを選んで、おもしろ楽しく紹介・応援して、ヒットさせるファシリテーターのこと。研究会ではこのようなブログのファシリーターのことを「ブログジョッキー」と呼んでいる。

◆ Q1:就業時間中の書き込みはOK?
 研究会では、現在、社内ブログの導入を検討している企業から、「就業時間中の書込みは許可すべきか、禁止するべきか」「投稿記事は業務関連情報に限定するべきか、プライベートな記事の投稿も許可すべきか」など、ブログの運用ルールに関する質問が寄せられた。

これに対するブログジョッキーの回答はどのようなものだろうか。

まず、就業時間に関しては3社とも「就業時間中の書込みは原則OK」のようだ。
「投稿する時間は自由です。反対派に対しては「ブログは喫煙室と同じです」というトークで切り返しました。大人ですから喫煙室があっても、そこでずっとサボっている人などいません。同様に30~40分もずっとブログをしている人などいません」(リクルート 金澤真美子氏)。また、セプテーニ・ホールディングスの馬野雅和氏も「基本的には自由ですが、営業期末なのに就業時間中にブログを投稿していると、さすがにタイミングが悪い。その場合は他の時期に投稿するように誘導しています」と述べている。

◆ Q2:投稿記事は業務に関する範囲に制限すべきか?
 それでは、投稿記事の内容についてはどうか。業務に関連する範囲に記事の内容も制限すべきだろうか。

NECの八田光啓氏は次のように述べている。「ルールとしては「業務に関する記事に限る」としていますが、そもそも当社では『何が業務か』を、自分の業務にのみ限定して狭く捉えるべきではないと考えています。『今度の携帯は良くない』という記事は、書いたその人にとっては雑談かもしれませんが、携帯機種の開発をしている人にとっては業務に関連する貴重な意見です。そのように捉えて運用しています」。

これに対し、馬野氏、金澤氏は「記事の内容には特に制限を設けてはいない」と言う。

とは言え、ブログ導入推進者は制限を加えたくないと考えていても、社内でその同意が得られないことも少なくないだろう。実際、研究会では「既に広報部から業務に関する内容でなければ導入不可と言われているが、業務関連記事ばかりでは誰も読まないのではないか」との質問もあった。

しかし、金澤氏によれば「業務に関する範囲に内容を制限しても、思わず読みたくなるコンテンツを企画することで上手くブログを盛り上げていくことは可能」だと言う。たとえば「新人時代の大失敗経験」「昔の上司に言われた一言」といったコンテンツはどうだろうか。確かに業務に関連する記事であるし、業務にも活用できる情報である。なおかつ「上司の意外な一面が発見できる」など、楽しみもあるため、ユーザーも「読んでみたい」という気持ちになる。業務関連記事の範囲であっても、工夫次第でブログの読者、投稿者を増やすことができるようだ。

◆ Q3:ズバリ、社内ブログを活性化させる具体的な施策とは?
 今回、研究会参加者から、最も多く寄せられたのが「オンサイト、オフサイトを問わず、社内ブログを活性化させる具体的な施策が知りたい」、「社内ブログを活性化させるために多くのリソースを使う必要があるのではないか」など、活性化施策に関する質問である。

ブログジョッキーは具体的にどのようにして、社内ブログを活性化させているのだろうか。

馬野氏は、その日の投稿記事の中から優れた記事をピックアップし、1日2回、これをメールマガジンとして配信することで活性化の施策としている。「投稿者に対して適切にスポットライトを当てることで、記事をアップするモチベーションが高まる」と馬野氏は述べる。記事の投稿は新人営業担当が行っているのだが、良い成果を達成すれば、ブログにその記事をアップできるし、それがメールマガジンで取り上げられれば、自分の功績が広く認められることになる。そのため、単にブログが活性化するだけでなく「業務に対するモチベーション向上にもなる」と言う。

金澤氏は「どんなコンテンツがあれば読むか」をユーザーに徹底ヒアリングした上で、様々な企画を実施している。たとえば、「グループメンバー紹介」は、自分の隣の席のメンバーについて紹介し、紹介されたメンバーがまた隣のメンバーを紹介するという、リレー形式の企画だ。リレー形式であるため、普段は記事やコメントを書かない人も自然に参加することになるし、同時に紹介されたメンバーにもスポットライトが当たるメリットがあるようだ。

八田氏は、オンラインとオフラインの相互作用を有効活用している。オンラインで情報交換会の告知をし、参加者を募るが、具体的な情報共有はオフラインで行う。そして、その成果はオンラインにアップし、当日参加できなかった人とも情報共有ができるようにする、といった具合だ。自社でのブログ導入の目的は「あくまでオフラインでの活動促進」と考える八田氏は「オンラインだけで閉じてしまわないよう、常に意識をしている」と言う。

◆ Q4:ブログは最善のツールなのか?
 もちろん、ブログジョッキーの活性化施策すべてが、成功だったわけではない。少なからず失敗の経験もあったようだ。

馬野氏は記事を選定・編集し、メールマガジンとして配信することでブログの活性化に成功しているが、同時に運用者の関与も行き過ぎると逆効果である点を指摘している。「あまり介入してしまうと、こちらが求めている記事しか投稿されなくなってしまう。運用者の主観に偏向してしまう危険性がある」。そこで、馬野氏は常にユーザーのニーズをヒアリングし、バランスをとることを意識していると言う。

また、運用者がブログを活性化しようとするあまり、必要のないものまでブログにしてしまう危険性についても指摘がなされた。

「以前、「ブログを使って先輩社員にわからないことを聞く」という企画を立ち上げましたが、レスポンスはゼロでした。ユーザーにしてみれば、わざわざブログ上で聞かなくても、先輩社員に直接聞くことができますし、その方が早かったためだと思います」(金澤氏)。

「電話で済むことなのに、なぜかブログを使おうとして、後で電話の方が早いことに気づいたこともありました」(八田氏)。
「ビジネスを成功させるためにブログを導入したはずなのに、ブログを活性化するためにビジネスを利用するような勘違いをしてしまう危険があります」(馬野氏)。

ブログ導入の目的は何か。社内での情報共有なのか、それとも、コミュニケーションの活性化か。情報共有だとすれば共有したい「情報」とは何か。コミュニケーションが活性化している状態とは、具体的にはどのような状態か。事前にある程度明確にしておく必要があるだろう。

◆ Q5:導入したことによる具体的な成果は?
 活性化施策に次いで多いのが、「導入後の浸透状況や効果検証をどうしているのか」「目に見える効果、使用者の客観的な感想にはどのようなものがあるのか」など、導入効果に関する質問である。

効果の測定としては、たとえば「その効果を出すために外注した場合、どれくらいのコストがかかるか」を考えることができるだろう。「ある部門が開発した製品をブログユーザーにリリース前に使用させて、その意見を聞くことにしました。300名のユーザーがその製品を使用し、100件以上のフィードバックがありました。300名のテスターを用意するコストを考えれば、これは分かりやすい効果だと思います」(八田氏)。

また、あるユーザーが「社内で使用しているプログラムが難しい」との感想をブログに掲載したところ、有志のユーザーにより、様々なツールやマニュアルが作成・提供されたこともあると言う。金額に換算しても大きな効果と言えるだろうが、「ツールやマニュアルができるまでのプロセスの中で、現在、社内に何が不足しているかを炙り出すことができた点も、効果として見逃せない」(八田氏)ようだ。

「ブログ文化」が深く定着していくことで、問題意識を共有し、企業の風土や体制を発展・改善させていくという組織変革のプロセスも強化することができる。この点もブログならではの効果だと言えるだろう。

(文責:株式会社ナレッジサイン 森天都平)


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