導入事例

メンタルヘルス対策 心の病を予防・ケアする環境を作る[08/12/05]

【日立ソリューションズ(旧 日立システムアンドサービス)主催】
人事/労務管理リーダーのための「ヒューマンキャピタル研究会」
第4回『メンタルヘルス対策にどう取り組むか』
~「心の病」を予防・ケアする労務環境を作る~

テーマ 『メンタルヘルス対策にどう取り組むか』
~「心の病」を予防・ケアする労務環境を作る~
日 時 2008年12月5日
参加者 企業の人事・労務管理担当者7社9名
主 催 株式会社日立システムアンドサービス
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
 日立システムアンドサービスでは、人事/労務管理のリーダーの方にお集まりいただき、労務管理に関する互いのナレッジを交換いただく、「ヒューマンキャピタル研究会」を開催しております。第4回のテーマは「メンタルヘルス」です。多くの企業で、メンタルヘルス不全を理由とした長期休職者が発生するなど、従業員のメンタルヘルス対策が急務の課題となっております。各社はメンタルヘルス対策にどのように取り組んでいるのか、当日のディスカッションの一部ご紹介いたします。

次回のヒューマンキャピタル研究会の詳細はこちら

◆確実に増加傾向にあるメンタルヘルス不全による長期休職
 今回の研究会には、情報通信、製造業、流通業などさまざまな業種の企業が参加した。そして参加した企業のすべてにおいてメンタルヘルス不全を理由とした長期休職者が発生している。産業医などの定期診断も充実してきたため、それまでも潜在的に発生していたメンタルの疾病が、新しく顕在化してきたという側面もあるが、それでも、長期の休職者が実数として増えていることは確かなようだ。

たとえば、情報通信事業者では、これまでも技術職を中心にメンタルヘルス不全による休職者が発生していたが、最近の傾向としては営業職でのメンタルヘルス不全による休職者が多くなっている。

今や企業にとって、メンタル面で従業員の健康管理に目を配り、病気の発症者を早期に発見して、ケア・復職支援することは、必須の労務管理マターとなっている。

◆メンタルヘルス不全に対する事後の対策
 メンタルヘルスの対策には、メンタルヘルス不全により長期休職となった従業員に対する治療と職場復帰支援、再発防止を指す3次予防。病気の早期発見・早期治療をめざす2次予防。そのような病気を発生させない1次予防に大きく分かれる。

対策のステップとしては、まずは発生したケースに事後的に対処する3次予防から始まり、2次、1次へと環境づくりをめざしていくことになる。

メンタルの病気は一端発症してしまうと、主治医の治療に委ねることになるが、職場復帰のタイミングを決めるのは人事・労務の役割になる。ここで、職場復帰のタイミングを誤ると再発を招く危険もある。

研究会に参加する企業の多くは、職場復帰の判断を主治医に完全に委ねてしまうのは適切ではないと考えており、必ず企業側の産業医の診断と総合的に判断するようにしたり、、上司も主治医に面談をしたりするなど、客観的な判断ができる体制をつくるよう取り組んでいた。

しかし、これらの配慮にも関わらず職場復帰後の再発率が非常に高いのが実態のようである。ある意味慢性化し、定期的に休職するようなリズムになってしまう従業員も少なくないようだ。

この場合、人事としての判断が難しい。ある企業では、半年間が休職の満了期間であるが、満了期間内に一度でも復職すると満了はリセットされ、また新たな半年間の休職期間を得られる。この制度を悪用すれば、半年に数日仕事をするというペースで雇用を継続できることになる。実質的にそのような状態になっている従業員にどう対処するのか。

また、復職しても元のパフォーマンスに戻ることは少ない。実際に職務能力が低下してしまった従業員をどう処遇するべきか。

職場復帰後から新たな課題がスタートしているのが現状だ。

◆早期発見か未然防止か
 メンタルヘルス不全の早期発見と未然の予防のために、産業医の積極的な関与や、外部カウンセラーなど、なんらかのEAP(従業員援助プログラム)を導入している企業がほとんどであった。

しかし、EAPのカウンセラーを設置していることを従業員に周知していても、非常に利用率の高い企業や、ほとんど利用されていない企業など、その利用率には参加企業の間でも大きな違いがあった。

EAPの利用率が高い企業では、たしかに早期発見の効果が上がっているようだ。長期休職としてメンタルヘルス不全が顕在化していない段階で、その兆候を発見することに成功している。ただ、カウンセリングによって病気の発症と認定され、治療がスタートすることがほとんどで、もう少し未然の状態で発見できるかが今後の課題となる。

◆メンタルヘルス不全者を出さないために
 最終的には、従業員の中からメンタルヘルス不全者を出さないことが理想の形となる。

メンタルヘルス不全の実際の発症例にはさまざまな要因があるが、原因として多くの企業が指摘するのは「内部要因」と「外部要因」だ。これらは複雑にからみ合う。

内部要因は主に性格的な問題やストレス耐性。当然の話だが、まったく同じ仕事環境にいながら、メンタルヘルス不全になる人とそうでない人がいる。

また外部要因もプライベートな問題と会社の問題と両面ある。前者に関しては、会社が直接コミットできる問題でもないが、EAPなどで個人的な問題でも相談できる体制をつくっておき、ガス抜きができる環境を提供するだけでも効果的だ。

会社で起こる外部要因は仕事と人間関係が大きい。仕事は量というよりも質の面が大きい。大きなプレッシャーの中で仕事をすることで精神的に追い詰められてしまう。

人間関係に関しては、直接的な要因では、パワハラなど上司と部下との関係が多いが、同僚同士でのコミュニケーションの希薄化が遠因になることも多い。会社全体のコミュニケーション風土を良くするために、レクリエーション制度を見直し活性化させている企業もあった。社風を風通しの良いものにし、仲間同士で相談できる関係をつくっておくことは、会社の中での人間関係に潤滑油を与えるだけでなく、プライベートな問題に悩む従業員にもガス抜き効果を与えてくれる。

いずれにしても、1次予防に根本的に取り組むには、マネジメントスタイル、組織風土、人事制度にまで踏み込んだ施策が必要になる。

引き続き本研究会では、メンタルヘルス対策について議論していきたい。

(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡 英幸)
※株式会社日立システムアンドサービスは、2010年10月1日付けの合併により、株式会社日立ソリューションズとして新たにスタートしました。
本レポートは2010年10月1日以前に公開されたもののため、レポート本文中の社名(日立システム)は当時のものとなっております。

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