導入事例

原油高、原材料高の今こそ、在庫削減に取り組む(製造業B)[08/11/07]

【大塚商会主催】製造業向け座談会(グループB)
~原油高、原材料高の今こそ、在庫削減に取り組む~

日 時 2008年11月7日
参加者 組み立て系、加工系製造業5社(グループB)
ゲスト 株式会社テクノ経営総合研究所 コンサルタント
岩渕克朗氏
主 催 株式会社大塚商会
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
 大塚商会様では、製造業にて購買、生産管理、資材管理等に携わる方々にご参加いただき、各社の取組みについて情報交換をする座談会を2グループにわたり開催いたしました。グループBの座談会では「在庫削減」をテーマに、内示変動リスクや、在庫の見える化のメリット、現場の改善活動を行う上での原因分析手法等についてディスカッションをし、現場で活用できるナレッジを共有することができました。その模様を一部レポートいたします。

◆内示変動リスクと少ロット化について
 部品製造メーカー、部品加工メーカーにとって、納入先から要求される短納期に応えるためには、在庫リスクを伴いながらリードタイムを短縮していかなければならない。一方、「内示変動」というリスクは増大する一方である。

内示変動が起こるのは、端的にいうと、納入先メーカーの生産計画が正確性に欠けるからであるが、納入先メーカーにとっては、何よりも優越的地位を楯に仕入先にリスクを転嫁できるメリットがあることが大きい。内示変動というリスクに対処するためには、納入先とのパワーバランンスをどうとるかを考えなければならない。特定の納入先に依存すればするほど、納入先有利が崩れない。そこで、需要の安定も含め、納入先数を増やすことを防衛策としている企業は多い。

ただ、納入先が多くなると、小ロット化が要求される。最適な経済ロットを算出することが難しくなる。特に加工系のメーカーの場合、設備稼働率と在庫数のバランスをとりながら、生産ロットを考えなければならない。

ある企業では、それまで、製品単位で考えていた経済ロットを設備稼働単位で考えるようにした。ロボットの稼動が1時間半、段取りに30分かかるとして、加工時間を2時間のユニットで区切り、生産計画を決めるのだ。ただ、段取り時間に変動が多くなると、生産計画が大きく崩れてしまう。

一方、設備の稼動率を優先したロットでは、多くの在庫をつくってしまうこともある。段取りに1時間半、作業30分で生産するロットが在庫数の点で最適であれば、設備の稼動率という点では好ましくないが、そのようなロットでつくることもある。

◆見える化のメリット
 この座談会に参加したほとんどの企業が、生産管理にシステムを導入している。システムを導入することで、生産プロセスが見える化する。製番管理を徹底することで在庫数量が明確になり、営業も顧客に対して迅速に納期の回答ができるようになり、ビジネスチャンスを広げることになる。

見える化のメリットとして、多くの参加者が指摘していたのは、現場の意識が変わってくることだ。対処すべき問題点が見え、どのように解決すべきか、自分で考えるようになってくる。そしてその意識の変化は、生産プロセス全体の改善活動へとつながっていく。

今回、製造業座談会ということで改善活動への取組みの議論も活発に交わされた。トヨタの「なぜなぜ5回」に代表される原因遡及分析に取り組んでいる企業が多かった。

この「なぜなぜ分析」であるが、意識面もそうだが、思考のスキルという点で課題が多い。「現象と原因を混同してしまう。原因を突き止めようとしても、現象ばかりが並んでしまう」というように、論理的な思考は、そのためのトレーニングをしないとなかなか身につかない。

ファシリテーション教育の中でも、相手の課題を論理的に掘下げていくというトレーニングをするが、思考のステップは同様である。このような場合、なんらかのフレームワークを用意し、それにあてはめていく思考していくやり方が有効だ。テクノ経営総合研究所の岩渕克朗氏も「なぜなぜ分析」で使う「予想でなく事実を述べる」「簡潔な表現をする」「論理性を後からひっくり返す」、など思考のフレームワークを紹介していた。

◆コスト削減としての残業時間を減らす
 コスト削減という点では、残業時間をいかに削減していくかも大きな課題である。不景気になってくると、試作品など、特殊な部品加工や製造の仕事を請け負うことが多くなる。しかし、特殊な加工・製造になると段取りなどの前工程が増え、その分残業が多くなる。生産量が減っているのに、残業が逆に多くなるのだ。生産性の向上が求められる。

各社生産性をアップさせるためのさまざまな取組みをしている。機械の前にビデオカメラを設置し、フレームイン/フレームアウトの時間を計測している企業もあった。フレームインしている時間は機械の前に立っていなくてはできない作業であるが、フレームアウトしている時間は機械を止めずに他の作業に当てられると考えることができる。その時間を有効活用することで、全体のリードタイムを短縮できると考えるのだ。

「在庫」というのは、生産活動における成果であるとともに、過剰になれば、プロセスのムダを体現したものになる。在庫削減について考えることは、生産プロセス全体を最適化するスタートと言える。

(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡 英幸)

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