導入事例

社内ブログを成功させるシステム・機能を検証(前編)[08/02/08]

株式会社CIJ主催 社内ブログ立ち上げを検討する企業のための
「社内ブログ活用研究会」第5回(前編)
日 時 2008年2月8日
主催 株式会社CIJ
ファシリテーター 株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
参加者 社内ブログを既に導入している企業、導入を検討している企業、およびブログ・システムを提供しているベンダー、など、計8名
ゲスト 久米信行 様 久米繊維工業株式会社 代表取締役社長
 株式会社CIJでは、社内ブログを既に活用されている企業、今後導入を検討している企業の方とともに、社内ブログによる情報共有のあり方を考える「社内ブログ活用研究会」を開催しております。第5回ではベストセラー「ブログ道」の著者である久米信行様をゲストに迎え、ブログの書き手の視点からのたくさんのお話しをいただき、本研究会に新しい論点が加わりました。その模様の前半部分をレポートします。
 リアルでダメなものがブログならコミュニケーションが活性化するのか
 今回、本研究会に参加された、あるベンチャー企業では、社員数が急激に増えてきたことによる二極化現象の解消に社内ブログ導入を検討している、という話があった。二極化現象とは、創業当初の少人数でやっていた頃からの社員と、企業が大きくなり、最近になって数多く入社してきた社員との間で、コミュニケーション風土のギャップが起きているということだ。古くからの社員同士はプライベートでも仲が良く、リアルな場でのコミュニケーションが活発であるが、最近入社してきた社員間では、リアルなコミュニケーションが少なく、お互いが持っている情報の共有も十分でない。そこで、全社員のコミュニケーションを活発化させ、情報共有を促進するために社内ブログ導入を考え出したのである。ここで問題だが、そもそもリアルな場でコミュニケーションできていない職場の人間が、「ブログ」というバーチャルな入れ物に場を移したからと言って、コミュニケーションが活発化するかということである。

久米さんは、社内ブログが成功する条件として、「おしゃべりしたいというカルチャーを最初から持っている」ことを挙げておられた。

そう考えると、ブログが、「おしゃべりしたい」という欲求があるものの、拠点が全国に散らばっていてリアルにコミュニケーションする手段がない場合などに、コミュニケーションの補完ツールになり得ることはあっても、リアルにコミュニケーションできる環境にいながら、活性化しない場合、それをブログに場所を移したからと言って、コミュニケーションを活性化させるのは難しいのかもしれない。

◆ 「書きたい欲求」と「見られたい欲求」
 つまり、社内ブログに書き込みをすることは、「リアルでコミュニケーションしたくない隣の社員」に見られてしまうリスクになり得るのだ。個人ブログも、オープンな世界とは言え、ブログの存在を直接教えているのは、リアルで親密な相手であったり、逆に、それ以外の読者は、リアルでコミュニケーションする必要のない人であったりする。ブログの書き込みを増やすために書き手に必要な欲求は、「書きたい」であると同時に「見られない」であるのだ。もし、「書きたい」けれども「知っている人に見られたくない」ものであれば、それは社内ブログでは「書きたくない」になってしまう。ふり返ってみると、これまでの議論でも、社内ブログの中で多く発信されている情報は「見られたい」情報であったことに気づく。本研究会の第1回から参加されている、営業部門での情報共有で社内ブログを導入しているある企業では、ブログの書き込みは活発になってきたが、書き込まれる記事の質は変化してきたという。カジュアルな聞き込みは減り、仕事上の書き込みが増えてきたそうである。おそらく、社内ブログが定着する中で、「見られたい」情報というものに自然に集約されてきたのであろう。
◆ ほめられたい欲求
 久米さんは、ブログの書き手の重要な欲求として「ほめられたい」欲求を挙げていた。久米さんは、ブログを「夢をかなえるツール」と呼び、自己実現のためにブログを活用することを説き、多くの支持を集めている。実際にブログを書き続けることで、人脈が広がり、仕事につながったり、自分の新しいキャリアが開けたり、という成功事例は数多くある。そして、そのような成功事例がブロガーにとっての目標であり、それを励みにブログを書き続ける人は多い。これを社内ブログにあてはめてみた場合どうだろうか。社内で「ほめられたい」と思うことがあるか。あるいは、社内でブログを使って自己アピールをすることで、自分の社内でのキャリアが開けるか。これが「書き手」の目線で見たときの、社内ブログ活性化のキーファクターになるような気がする。

社内ブログで「今ひとつ書きたいことがない」というのは、久米さんの表現を借りると、「社内でほめられることは、想定内のことしかない」からかもしれない。たとえば営業部門における情報共有のブログであれば、営業成績の良い人の情報が求められ、そうでない人の情報は求められないのではないか、と考えてしまう。

ブログでほめられる人は、もともとリアルな世界でほめられており、リアルな世界でほめられることがない人は、いくらブログを一生懸命書いてもほめられない。そうなると、だんだんと書く動機づけがなくなってしまう。

逆に言えば、ブログの世界においては「想定外のほめられること」があれば、ブログを書く動機になるかもしれない。

先に紹介した、営業部門における情報共有のために社内ブログを導入している企業では、必ずしも営業成績のいい人と、人気ブロガーは一致しない。つまり、ブログの世界では想定外でヒーローになる人が出現しているのだ。

それでは、ブログで人気になれても、それは会社の中で評価されることにはつながらないのだろうか。実際にはそうではないはずだ。自分の発信した情報がブログで多くの支持を得ることは、企業においてインフルエンサーとして貢献していることであり、企業のいろんな人の業務の中で利益を生んでいる。

これまでもブログが、企業における新しい情報価値を見出すという話をしたが、ブログは、埋もれていた人材の発掘ツールになり得るのではないか。(後編に続く)

●本レポートの後編はこちら

(文責:株式会社ナレッジサイン)

●久米信行さんが、日経IT Proの連載「企業経営に生かすBlog道」で関連記事を書いておられます。
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