導入事例

【株式会社NTTデータ セキスイシステムズ様】プログラムレスツールを使って、低コスト、短納期でレガシーシステムを再構築する方法[08/12/09]

【NTTデータ アイテック/NTTデータ セキスイシステムズ主催】
レガシーシステム再構築にいい加減踏ん切りをつける方法
~プログラムレスツールを使って、マイグレーションのコスト、時間、棚卸作業を半減~

テーマ レガシーシステム再構築にいい加減踏ん切りをつける方法
~プログラムレスツールを使って、マイグレーションのコスト、時間、棚卸作業を半減~
日 時 2008年12月9日
参加者 レガシーなシステムの再構築を考える企業、開発ツールを活用したシステム構築を手がける企業など6社
ゲ ス ト 株式会社長野県協同電算様
株式会社石川県農協電算センター様
主 催 株式会社NTTデータ アイテック/
株式会社NTTデータ セキスイシステムズ
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
 NTTデータ アイテック、NTTデータ セキスイシステムズでは、開発ツール(RADツール)を用いることで、低コスト、短納期でレガシーシステムを再構築する方法について、ナレッジを共有するワークショップを開催した。第一回となる今回は、「Sapiens eMerge」というツールを用いることで、汎用機を中心としたシステム基盤を再構築し、多大な開発コスト、運用コストの削減に成功した株式会社長野県協同電算様、株式会社石川県農協電算センター様にもゲストとしてご参加いただき、活発な議論が展開された。
◆開発ツールとは
 本ワークショップで取り上げる『開発ツール』とは、RADツールなど統合開発環境の一種で、中でも『プログラムレスツール』とも呼ばれる、文字通りプログラムを自動生成するツールを指す。ビジネスモデリングによって業務要件を定義し、テーブル設計するだけで、コーディング作業なしにプログラムを実装してくれるツールだ。詳細なプログラム設計書どころか、プログラミングの作業そのものが必要なくなる。これによって、業務要件に忠実なシステムを短納期、低コストで開発することができる。

『プログラムレスツール』には、業務ロジックの設計の後、最終的なアウトプットとしてソースコードを出力するものと、出力しないものがある。今回のワークショップでは、後者であるソースコードを出力しないプログラムレスツールの1つ、Sapiens eMergeを活用した開発事例が紹介された。

◆オープン化でコスト削減―開発ツールの生産性はCOBOLの10~20倍
  長野県協同電算はJA長野の銀行業務、保険業務、商社業務、小売業務などのシステム運用を行っている企業である。農協の幅広い事業をシステム面で支える電算センターだが、中でも大きいのが、銀行業務に関するシステムであり、収益の大半を占めていたという。ところが、2000年に各地で運用していた銀行業務システムが、全国統一の「JASTEM」というシステムに移行することになる。このままでは大幅な減収になり、全社のシステムコスト削減が緊急の課題となった。

「システムコストを削減する上で最も大きかったのが開発コスト、維持・運用コストが膨大である汎用機をオープン化することでした。」(長野県協同電算 営業本部 推進部長)そこで様々な手法を検討した結果、長野県協同電算では、Sapiens eMerge という開発ツールを使用して汎用機を中心としたシステム基盤の全面的な見直しを進めた。

まず、驚くのが開発ツールの生産性の高さである。具体的な生産性をファンクションポイントで表すと
・COBOLは10FP/人月
・Cは13FP/人月
・VBは35FP/人月
と言われている。これに対し、
・Sapiens eMergeは平均で100FP/人月
であったという。「長野県協同電算は最高値として201FP/人月という記録を出したこともありました。」(同氏)これにより、従来比15%の工数で再構築ができたという。

「本稼働を約1ヵ月後に控えたある日、要件が突然変更になりました。COBOLであれば3週間、Accessでも1週間はかかるものです。ところがSapiens eMerge のSEにSapiens eMergeであればどれくらいかかるのか尋ねたところ、『既に変更しておきました』と言われました。いかにSapiens eMergeの生産性が高いかを実感しました。」(同氏)

◆開発ツールのもう1つのメリット~スパイラル型の柔軟な開発へ
 このように、開発ツールを上手く用いることで、低コストでのシステム再構築が可能となる。また、現状の業務ロジックを再現するだけで良いため、レガシーシステムの再構築の際に問題となる、「現行システムの全貌を棚卸しする」という作業も必要がなくなる。

しかし、開発ツールのメリットはコストだけでなく、開発の柔軟性にもある。

従来の「ウォーターフォール型」の開発プロセスでは、ある一定の段階で要求仕様を固め、凍結した仕様書をもとにプログラムを開発する。しかし、開発ツールでは、仕様凍結という概念からある程度開放されるため、プロトタイプ画面をユーザーに見せながら、開発仕様を固めていく「スパイラル型」の開発が可能になる。

「我々のユーザーはシステムに不慣れなので、システムを作るから仕様の意見をくださいと言っても、なかなか出てきません。一方、システムを作ってから見せると「こう変更してほしい」と意見が出ます。だから、まずプロトタイプとなるシステムをユーザーに提示し、その後変更点を取り込んでから、システムを構築するやり方がもっとも効率的なのです。」(石川県農協電算センター 企画部 部長)

スパイラル型開発の場合、プロトタイプを見せる度に意見が変わって、仕様が決まるまで長くかかり、結局コスト高になってしまうという可能性も確かにある。しかし、逆に考えると、開発ツールを使うことで、よりユーザーの要求に即したシステムを迅速につくるという贅沢な開発が可能になると言える。

◆開発ツールの課題
  そのような柔軟で低コストの開発が可能な開発ツールであるが、課題はないのだろうか。ワークショップで議論された課題としては、「どの段階で定義されたものを仕様書と考えるか」という点が挙げられた。

業務ロジックの設計だけでプログラムの詳細設計書がない場合、どの時点のものを凍結仕様書とするのか、それによって、それが仕様変更なのか、詳細の開発なのか定義が難しくなる。スパイラル型で開発していく場合、なおさら仕様について流動的になる。ベンダーに仕様の変更を求める際に責任の範囲に大きく関わってくる。

「開発ツールを使うことで、中で何をしているのかがわからない。仕様書が起こしづらくなったというデメリットを感じている。ドキュメントを後から作り直すことが多く、それによって工数が増加している。」という意見もあった。

一方、ビジネスが変化するスピードに応じてより高いスピードでシステムの柔軟な変更も要求されているのが現状だ。

そういう意味では、常に仕様が新しく流動的になるようなシステムなど、開発ツールに向いたシステムというものがあるのかもしれない。あるいは、開発ツールの導入によって、変更の履歴は正確に残しておくものの、「システムは常に変化していくべきもの」と開発思想そのものが変わっていくのかもしれない。

また、Sapiens eMergeなどのソースコードを出力しない開発ツールの場合、自動生成されたコードは完全にブラックボックスになる。開発者が修正したり、チューニングしたりすることはできない。開発者の立場として、この点を不安として挙げる参加者もいた。ただ、これは開発ツールそのものの完成度によるだろう。チューニングを必要としない性能であればまったく問題ないし、ユーザー側の要望で新しいプロセスを追加するのであれば、それは開発ツールの特性を活かして、素早い変更ができる。いずれにしても、今後システム開発の方法論として、『開発ツール』の活用は必須の選択肢になるであろう。

本ワークショップでは、引き続き開発ツールを活用したシステム開発の現場のナレッジを共有・蓄積していきたい。

(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡 英幸)
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