導入事例

IAF アジアカンファレンス 2014 @シンガポールにて「言語の壁を超えた関係性づくり」のワークショップをファシリテーションしました

IAF アジアカンファレンス2014 in シンガポール 14-16/Aug/2014

 

2014年8月14日~16日の3日間、シンガポールで開催された、IAF(International Association of Facilitators)が主催するアジアカンファレンスに参加し、言語のダイバーシティの中でどのように関係性を築いていくのか、に関するワークショップのファシリテーションを行いました。
IAFは、ファシリテーションの国際的なプロフェッショナルファシリテーターの資格を認定するなど、世界のファシリテーターをネットワークしているワールドワイドな組織で、アジアカンファレンスは、アジア含め世界各国のファシリテーターが集まって、世界で活躍するプロフェッショナル・ファシリテーターの最新メソッドやワークショップを体験できる、言ってみれば世界のファシリテーターの祭典です。

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今回は、アジアを中心に世界から総勢150名ほどのファシリテーターが参加していました。
さまざまなテーマのワークショップが3日間で合計30近く開催され、参加者は自分の希望するワークショップに参加します。
今回私がファシリテーションしたのは「Engagement beyond Language」というタイトルのワークショップです。
わかりやすく言うと、文化や習慣、価値観、そして言語の異なるメンバーが同席する議論の場で、いかに一体感を醸成していくか、についてのワークショップです。

言葉の壁を感じながらも一体感を生み出すための実験的なワークショップ

 

海外でリアルなダイバーシティ環境に身をおくと、自分と他人はいかに異なるのかを実感します。特に国を超えた価値観の違いは大きく、協働のためにはこの「違い」を互いに認め合い、「違い」を力に変えていくアプローチが必要です。
一方で「違い」は大きいものの、共通点もたくさんあることに気づきます。普段我々が他人と共通的を探ろうとするときとは異なるメガネで見てみると、意外な共通点があるものです。そのように「違い」や共通点を探していくためにはコミュニケーションが重要になります。
しかしながらコミュニケーションの手段である言語そのものが壁になることがあります。英語を共通語としてコミュニケーションできる環境というのは、世界的にみれば一部のコミュニティに過ぎません。世界中でさまざまな人々が協働しようとしている現代において、言語の壁を乗り越えて協働を生み出すコミュニケーションのアプローチが重要になっています。

ファシリテーションの分野では、「エンゲージメント」という概念を重視します。なんらかのテーマを議論する際に、まずはグループメンバーが協力できる関係性、一体感を持って議論に入っていける空気感をつくることが必要になりますが、これらの状態が保てていることを「エンゲージできている」などと言います。
今回のワークショップでは、言語の違いがお互いの壁になり、不安定なコミュニケーションが発生している環境であっても、関係性、一体感をつくるためにはどうすれば良いか?そんなチャレンジに受講者と一緒に取り組みました。

※ワークショップの模様です。

「Blah.., blah.., blah…」だけでストーリーテリング

 

今回のワークショップの中では、さまざまなワークに取り組んでいただきました。
私は、ワークショップを大きく「Normal session」、「Beyond language session」の2つに分けました。
Normal sessionでは受講者は、通常の言語を使って会話できます。英語でも中国語でも日本語でも各グループで通じる会話であればかまいません。
Beyond language sessionでは特定の言語を使うことを禁止し、「Blah.., blah.., blah…」だけでしゃべってもらいます。日本語で言う「ペチャクチャ、ペチャクチャ・・」ですね。

この、「Blah.., blah..」で、今回のカンファレンスのテーマである「Crossroads」に関連する各メンバーのストーリーを語っていただきます。
何を言っているのか、もちろん正確にはわかりません。ただ、ジェスチャーや表情、全体のストーリー性を見て、おおまかな意味合いは、不思議なことにけっこう理解できるものなのです。
各メンバーのストーリーテリングー終わると、他のグループメンバーは、「理解できたよ」、「ごめん、わからなかった」、「エンゲージメントを感じた」という3つの言葉で感想を表現します。
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とってもチャレンジングなワークでしたが、皆楽しんで取り組んでいただだき、「Blah.., blah..」だけでも意外にストーリーが伝わることを実感しました。

みんなでレゴを組み立てる

 

極めつけは、「Blah.., blah..」の会話だけで、レゴを使った工作です。各グループにとっての「Crossroads」を表すものをレゴで立体の構造物で作ってみるのです。
「Crossroads」というテーマが与えれたことで、どのグループも十字に関連する構造物が作られたのですが、どのグループもユニークなアイデアに基づくものでした、

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このようにして、言葉を超えてエンゲージメントを高める手法を、実際に自らが体験することで学んでいただきました。このような手法は、いろいろな場面で生かせると思います。まだまだ実験的なところもありますが、多くの実践を重ねることで、世界で共通するワークの一つに仕上げていきたいと思います。

グラフィックレコーディングで議論の内容を見える化

 

今回のカンファレンスで一番感心したのが、ワークショップを進行している最中にグラフィックレコーダーという方がリアルタイムでワークショップの内容をイラストなどを多用して、1枚の絵に描き上げることです。
これはグラフィックレコーディングと呼ばれるもので、まさに議論を見える化するものですが、イラストなどを多用しながら、議論のプロセスを描き、ポイントとなるキーワードを抽出して、この1枚の絵を見れば、ワークショップがどんな内容だったのか?何を学ぶものなのか?がわかるのです。

論理的な理解力とセンス、もちろんファシリテーションの知識とアートの技術がなければできません。なにせ、このグラフィックレコーダーとはワークショップ会場で初めて顔を合わせ、何の打ち合わせもせずに、ワークショップの進行に合わせてスラスラと書き上げていくのです。グラフィックレコーダーは、どのような進行なのか事前には何も知りません。その場で初めて目にするものを描いていくのです。にも関わらず、見事に構造化されており、自分でも「このワークショップってなかなか良くできているな」と思わせるような、可視化の完成度なのです。

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これには本当に驚かされました。私が研修でお教えしている「議論の見える化」とは、同じ目的ながらまったく異なる、ちょっと真似のできない技術です。こういう方が日本でも増えてくるといいと思います。
このグラフィックレコーディングは、弊社のオフィスに飾っておりますので、いつでも見に来てください。

(株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸)

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