導入事例

レガシーシステムの移行課題とタイミング PART2[07/02/21]

レガシーシステムをいつまで使い続けますか?
~オープン化の理由とタイミング~ PART2
 
日 時 2007年2月21日
主催 日本ユニシス株式会社
司会・進行 株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
参加者 レガシーシステムのオープン化をご検討される企業の情報システムご担当者
前回と同じく、レガシーシステムのオープン化を考える企業の方にお集まりいただき、移行の課題や、そのタイミングについて、議論していただきました。既にマイグレーションを実施された企業の方にも、議論に参加していただき、貴重な体験に基づいたご意見も得ることができました。ここにその成果の一部を公開いたします。
◆検討に要した期間は1年半
 レガシーシステムを移行する際、最も重要なのが、現行システムのたな卸しである(詳しくは前回のナレッジワークショップのコラムレポートを参照)。たな卸しに時間を割き、これに丁寧に取り組まなければ、大量の不要プログラムまで移行することになり、マイグレーションのコストもかさんでしまう。逆に削りすぎると「通常は使用しないが緊急時には必要なプログラムまで捨ててしまう」など、重大な問題が発生するおそれもある。
では、そのたな卸しには、どれくらいの時間をかければよいのだろうか。当然、プログラムの本数やシステムの規模、ドキュメントの整備状態などによって、大きく変わってはくるのだが、ユニシスのマイグレーション担当者は「マイグレーション全体では1年間は見ておくべき。中でもたな卸しには相当の時間を割くべきです」と言う。また、実際にマイグレーションを実行し、成功した企業の担当者は「マイグレーションには2年半~3年かけたが、その中でも1年半は検討期間に割いた」と述べている。
じっくりと腰を据えてたな卸しをすることで、過不足のないマイグレーションを実行することができる。適切なたな卸しの結果として、不要帳票を減らすなど、業務効率の改善も達成することができるだろう。
◆人材の問題は言語スキルではなく業務システムの知財継承が課題
 ベテラン技術者はCOBOLなどのメインフレーム系言語しかわからず、若手技術者はJavaなどのオープン系言語しか取り扱うことができないといった、技術者の二極化が起きているケースが多い。「このままベテランの技術者が引退してしまうと、社内にCOBOLを理解するものがいなくなってしまい、システム維持が困難になるのではないか」との不安を持つ企業は少なくない。
しかし、COBOL自体が消えゆく言語であるかというと、その見方には懐疑的だ。まず、バッチ処理などに強いというCOBOLの強みは今後も生き続ける。20代、30代でCOBOLを学ぶ人間が少なくなっていることは確かだが、それでも新たにCOBOLを学んでいる開発者は相当数いる。また、オープン系言語しか知らない技術者が新たにCOBOLを習得することは、著しく難易度の高いことではない。仮に社内にCOBOLを理解している開発者がいなくなったとしても、プログラミングのみであればアウトソーシングも可能であろう。
「確実に移行し移行後も安全に運用保守したい」ということであれば、COBOLに留まるのもよいだろう。インフラの変更とプログラム言語の変更を分け、2段階で移行するという方法もある。COBOLに留まるのか、それともオープン系言語への移行となるのかは、各企業の要員育成計画やインフラの将来設計による。
問題なのは言語を知っている人間がいなくなることではなく「どのようなコンセプトで作られ、どういった経緯をたどって、現行のシステムができあがったのか」を知っている人間がいなくなってしまうことだ。ベテランは、要件や基本仕様を固めてきた当初からの蓄積された知識を大量に持っている。これらを、なんとか文書化し、後の世代に継承していく必要がある。
◆ドキュメント整備は「そのシステムを知り尽くしている人間」がいるうちに
 完全に死んでいるプログラムを、機械的に抽出することは、ある程度までは可能だ。ところが、そこから先はどうしても、個々の業務ロジックに踏み込んでいかざるを得ない。整備されたドキュメントを持っている企業であればよいが、これまでのたび重なるシステムの拡張もある。ドキュメントが完璧だという企業は決して多くはないだろう。
「業務ロジックの中身を把握した上での移行でなければ、その場はよくても、その後の運用保守でつまずいてしまう」。ユニシスのマイグレーション担当者はこのように述べる。移行の難易度は、システムの古さよりは、むしろ「ドキュメントがどこまで整備されているのか」、「システムを知っている人間がどのくらいいるのか」に左右される。枯れたシステムの良質な部分は残しつつ、移行の安全性を確保するためには、「そのシステムを知り尽くしている人間」がいる間に、たな卸しを済ませ、マイグレーションに備えるのが最善だと言える。
(文責:株式会社ナレッジサイン 森天都平)

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