高度外国人採用における人材マネジメントの方法論とは[07/02/06]

高度外国人採用における
グローバル人材マネジメントの方法論とは

日 時 2007年2月6日
主催 株式会社サンライズ・テクノロジー
司会・進行 株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
参加者 システムベンダー、人材派遣事業者、流通業、大学講師、経済産業省産業人材参事官室、他グローバル人材活用に取り組む企業・団体の方々。
 グローバル人材活用戦略ワークショップでは、高度外国人の採用/マネジメントについて、これまで様々な視点から論じてきました。(詳しくは総括レポート『IT業界における高度外国人活用の実態について』を参照して下さい)。
「不足しているコア人材を補うことができる」、「人事評価プロセスも含め、企業のグローバルな体制を見直し、整備する契機になる」など、外国人の採用には多大なメリットがある一方、「日本での商習慣やビジネスマナーが通じず、コミュニケーションに齟齬が生じる」「ようやく日本の習慣に慣れたところで、辞められてしまう」など、外国人であればこそ生じる課題も少なくない。
今回のワークショップでは、これまでの議論を踏まえた上で、こうした課題に対する、より具体的な解決案についてディスカッションがなされました。
◆外国人の素朴な「なぜ?」に答える
 マネジメント上の課題として、「日本でのビジネス習慣を理解させること」がしばしば挙げられる。敬語の使い方など、日本人ですら完全に理解することが難しいルールから、「席に着く前にコートを脱ぐ」といった個々の細かいマナーまで、日本の習慣について1つ1つ粘り強く教えていく必要がある。
しかし、この過程で摩擦が生じることがあると言う。「教えても守らない」、「マナーは守るようになったが、不満も表すようになった」といったケースも、少数ながら報告されている。単に「日本ではそうするのが習慣だ」と告げるだけでは、不十分なようだ。
では、どうすればよいのか。外国人が違和感を感じているのは、それが自国の習慣と異なるからというよりは、「なぜそうするのか」という理由の説明がなされないためであることが多いと言う。実際、ワークショップに参加した外国人も「必要な残業はしなければならないと思うが、必要のない残業が多い」などと述べている。日本のビジネス習慣を理解してもらうためには、彼らの発する素朴な「なぜ?」に答えていかなければならないだろう。その中で、自分たちが暗黙のうちに前提としていたルールの棚卸しがなされ、よりグローバルなマネジメント形式への変革が準備されていくはずである。
◆事前に評価のポイントをあいまいにせず明確にする
 職務/職能観においても、採用する日本企業との間にギャップが見られる。日本企業では、自分の仕事が早く終わった場合、他の仕事を手伝うべきだと考えられている。ところが、外国人にとっては「それは自分の仕事だとは言われていない」ということになる。ここから「外国人は日本人と比べて協調性がない」と捉えられがちだ。
しかし、外国人から言えば「自分の仕事だと言われていないのに、それを手伝わなかったからといって、評価が下がるのは納得がいかない」といったことになるだろう。逆に言えば、事前に「協調性」を評価ポイントとして明示化し、業績評価に明確に組み込んでおくことで、こうしたギャップが生じるのを防ぐことができる。
◆暗黙知を形式知に変える力
 外国人の採用/マネジメントにおいて感じるさまざまなギャップ。オフショア開発のワークショップの際でも議論したが、これらのギャップとは、つまるところ常識のギャップである。日本の常識と外国人の常識が異なる。日本の常識が理解してもらえない。
「常識」とはほぼイコール「暗黙知」と同義語だ。「言わなくても常識」というのは、「暗黙知なので言葉にしなくても理解し合えている」と置き換えても良い。
外国人の採用/マネジメントにおいて我々が問われているのは、暗黙知を形式知に変える力と言えるだろう。
言語化されずに共有化できているものをあらためて言語化する。
形式知化すべきものは3つある。日本的仕事のやり方とはどのようなものか、という方法論。なぜその仕事が必要かという理由。そして、その仕事における価値観。
方法論における形式知化という点ではマニュアルづくりを見るように日本人の得意とするところだ。しかし、「理由」、「価値観」を言語化することにおいて日本人は極めて弱いと感じる。
これらは外国人のマネジメントに限らず、若い人材のマネジメントにおいてすでに問題が露呈している。なぜこのような仕事が必要か、その価値観とはどんなものなのか、言語化して説明することなく、「若い人間の常識は理解できない」と不平を言う構図は、外国人マネジメントとのそれと酷似している。
グローバル化とは、暗黙知を形式知に変える力を養うことと言えるかもしれない。
(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸・森天都平)

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