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卒業性のラーニング・コミュニティ “SPOT on Facilitation Alumni Gathering” 第2回開催レポート Facilitative Leaderとは何か? 2018年1月17日

2016年6月から開催している「英語で学ぶグローバルファシリテーション・ワークショプ」”SPOTlight on Facilitation” の過去の参加者が集うコミュニティ、Alumni Gatheringの第2回を2018年1月17日に開催しました。その内容をレポートします。

Parking lotの効用と重要な点

毎回、このAlumni Gatheringの最初では、ここ最近の参加者のファシリテーター体験、あるいはファシリテーティブなリーダーシップ体験を共有しています。
その中でも印象的だったのが、Parking lotを効果的に使った体験です。

Parking lotとは、文字通り一時駐車スペースのことで、ファシリテーションにおいては、本題をはずれた意見を一時的に保存しておく場所です。
写真のように、実際にParking lotと書いた紙を壁などに貼り、そこに意見を書いたポストイットを貼っておくのです。
議論の最中に、本題をはずれたトピック、意見が出てくることがしばしばあります。本題をはずれているからと言って、「今はそんな話は関係ないので、しないでください」
と冷たく言い放つわけにもいきません。

そんなときに、
「なるほど、その意見は大変重要だと思いますが、今議論している本題とは少し離れているようなので、いったんParking lotに置いておき、後で検討してみましょう。」
という風にして、Parking lotに書き留めておくことで、本題に戻るのです。

ここで重要なことは、Parking lotは、意見を葬るゴミ箱ではなく、一時的に保存する場所であるということです。つまり、後で必ずもう一度取り上げることを約束しているのです。
そうすることで、意見を出した人は不愉快に感じなくなります。議論の最後で、Parking lotにある意見をふり返ろうとしたときに、もし議論のメンバーが、その必要がないと判断すれば、そのままでもいいのです。
大事なことは、一時的に保存しておき、再度取り上げることをみんなで約束することです。

今回のAlumni Gathering参加者も、これまで議論の最中に、しばしば本題を外れた意見に混乱させられることがあったのですが、今回Parking lotをうまく使うことで、スムーズに議論を進行することができたとのことでした。

その参加者の気づきでもっとも大きかったことは、Parking lotがうまく機能するためには、3Os(Objective, Output, Outcome)とアジェンダの内容をしっかりと共有すること、でした。
「本題からはずれている」ということを議論のメンバーがきちんと認識できるためには、「何が本題か」が共有されていなければなりません。
そのためには、この議論の目的は何か、議論の成果物は何か、そもそも何のためにこの議論をしているのか、そして、目的に沿ったアジェンダの内容がどんなものかを、ちゃんと理解し、腹落ちしていなければなりません。
これができていれば、誰かの意見が「本題をはずれている」ということが、全員に見える化するのです。
そのためにも、3Os(Objective, Output, Outcome)とアジェンダの内容を、会議の最初にファシリテーターが明確にして、すり合わせしておくことが重要になります。

ProcessとContentの間でどうバランスを取るか

ファシリテーターの立ち位置がどこにあるかを表すものとして、以下のような図をよく使います。Contentというのは、会議の中で話される具体的な意見そのもの。Processは、議論の進め方と、とらえていいでしょう。


コンサルタントや先生と言われる方は、議論の際に、積極的に答えやヒントを示します。研修のトレーナーも、何かを教えるわけですから、これらの役割は、コンテンツにコミットします。
一方で、ファシリテーター自身が意見を出すことや、結論へのヒントを出すことはありません。その代わり、議論の進め方を積極的に提案します。
ファシリテーターのこのような立ち位置を、Content Neutralと言ったりします。Contentには一切立ち入らないで、Processを支援することにフォーカスする。
どちらがいいというわけではなく、あくまで立ち位置の問題です。

ただ、会社内でリーダー、マネージャーがファシリテーターの役割をしようとするときには、完全にContent Neutralになることは不可能です。ファシリテーションするグループの利害に直接関わっているわけですから。
そのような場合にどうすれば良いのか。以下の3つが考えられます。
・議論の中で、Content Neutralの時間帯を決める
・議論の中で、Content Neutralのトピックを決める
・基本はファシリテーターとして振る舞うが、Contentにコミットする際は、きちんと宣言する

一番いけないのは、常にContent Neutralであるファシリテーターを装いながら、実は巧みにContentをコントロールしようとすることです。リーダーですから当然Contentにコミットせざるを得ませんが、時間帯で区切るか、トピックで線を引くか、要はメリハリが大事です。

実は、プロのファシリテーターである私も、現場では、コンサルタントの役割やコーチの役割など、さまざまな役割が求められます。
クライアントにとってみれば、我々プロフェッショナルは、ファシリテーションや他のスキルを駆使したマルチプレイヤーとして、その場の課題解決に貢献してくれればいいのであって、「ファシリテーターだからContent Neutralを徹底してください」とは、通常要望しません。
ですから、実際には、上図でいくと、真ん中あたりが、私のプロとしてのもっとも多い立ち位置です。

グローバルファシリテーション・ワークショップ “SPOTlight on Facilitation”を受講する皆さんの主な目的は、プロのファシリテーターになることよりもむしろ、今現在の自分の専門領域にファシリテーションをどう活かしていくか、ですので、自分にとってのFacilitative XXXXの一番快適なポジショニングを見つけることが大事です。

そこで、Alumni Gatheringでは、それぞれの専門分野において、ContentとProcessとの間のもっとも心地よいポジショニングをシェアしました。
そうすることで、ファシリテーションをどのように自分の仕事に活かしていけばいいのかが見えてきました。

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