コラム

【ソリューション営業体制づくり Vol.1】ソリューション営業のめざすべき具体的なモデルを明示せよ

背中を追いかける先輩(ロールモデル)はいるか

 

いかに御用聞き営業から脱してソリューション営業を実現するか。ITベンダーに限らず、提案型の商品/サービスを販売する企業にとっては、共通の課題であり、なかなか実現が難しいテーマです。私は、ソリューション営業部隊づくりを一番難しくしているのは、めざすべき手本がないことだと思います。特にIT業界においてはその傾向が強い。

「ソリューション営業」とはどのようなものか。よく、以下のような声が聞かれます。

・顧客から要望が出る前に素早く動く
・商品内容を説明するだけではなく、いかに商品/サービスを活用して顧客の課題を解決すればいいのかを提案する
・ときには顧客がまだ気づいていない課題に気づく
・商品/サービスだけでは解決できない範囲にまで課題解決に貢献する

それでは、実際にそんな営業を体現している人が現場にいるかというといない。あるいは、今のエライさんの中にはかつてそんな人がいたかも知れないが、営業としての現役は引退しており、手本を示すことができない。

私は前職のリクルート時代、17年間ほど営業をやってきましたが、自分が在籍していた会社を褒めるのもなんですが、ベテランから若手に至るまでソリューション営業というものをしっかりと実現していたと思います。

何より幸運なことは、手本になるべき先輩営業マンがたくさんいたことです。しかも、自分でも手の届きそうなレベルの先輩から、永遠の憧れのようなスーパートップ営業マンまで、さまざまなバリエーションの手本があったので、自分のレベルに合わせてどこをめざせばいいのかがとてもわかりやすかったのです。

 

 ソリューション営業にもいろんなレベルがある

 

たとえば、当時のリクルートの求人広告営業を、ソリューション営業という視点でレベル分類してみましょう。図のようなソリューション営業の体系などといったものは、当時何も明文化されていませんでしたが、改めてソリューション営業のフレームワークに当てはめるとこのようになるのではないかと思います。

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売っているものは「求人広告」。ちゃんと原稿をつくって、決められたタイミングで、約束した発行部数で間違いなく求人誌に掲載すれば役務は果たしているわけです。求人の応募があるかないかも責任の範疇ではありません。
しかし、顧客にとって重要なのは、採用が成功すること。そして、その採用によって会社が発展することです。リクルートでは、ある程度のキャリアのある営業マンなら、会社説明会の開き方から面接の仕方まで、採用成功までのさまざまなタスクを支援するお手伝いをしていました。
さらにすごい営業マンになると、給与制度づくりや研修プラン策定など、新入社員を受け入れるための体制整備までお手伝いします。今なら専門コンサルタントが有料で提供するようなサービスです。
これを営業マンが自分の力量で提供し、求人広告を受注するのです。その上の伝説的な営業マンになると、会社の発展自体に貢献します。まるで社外役員のような存在です。

私たちが会社に入ったころはそんな伝説の営業マンの逸話を聞かされ、営業という仕事にロマンを感じていました。ただ、すべての営業マンに伝説の営業マンをめざせとは言っていませんでした。そのかわりに、どの営業マンにも求められるレベルというものが、明文化されないものの共有されていたように感じます。
それが、この図で言う「プロジェクト支援」ができるソリューション営業マンのレベルです。

だいたい3年目ぐらいになればこのレベルの営業ができていることが暗黙のルールでした。そして、若手がここをめざす際の階段には真似るべき先輩がおり、「プロジェクト支援」のためのナレッジも広く共有されていたので、私たちは次に何をすればいいのかがわかりやすかったのです。

ソリューション営業をレベル別にモデル化してターゲットを決める

 

図のようにいかにもソリューションレベルの体系があるかのように書きましたが、当時のリクルートにはそのようなモデルの考え方は何もありませんでした。ただ、めざすべき先輩のレベルごとのバリエーションが豊富だっただけです。

今、私がクライアントに対して、お手伝いしているソリューション営業体制づくりでは、まず最初のステップとして、図で示したように、ソリューション営業のレベル別のモデルづくりに取り組みます。

ただ漠然と「ソリューション営業に変革せよ」では現場は混乱するだけです。めざすべきソリューション営業の姿とはどのようなものか、提供する価値、必要な要素をレベル別に定義していくのです。それが、実際に体現できているものでも、理想像でもかまいません。
「御用聞き」VS「ソリューション」という単純な構図ではどこをめざせばいいのかよくわかりません。ソリューション営業の中でも、白帯、緑帯、茶帯、黒帯と段階があるはずです。緑帯の人はどんなことができる人で、それができるためにどんな技術や知識を持っているのか、それを定義するのです。

そして、今の現状が白帯ならどこをめざすのが適切なのか、ターゲットを定めます。理想像を追いかけるのではなく、現実的なゴールを示すことがもっとも重要なことなのです。

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