【プロの電話アポ取り(テレアポ)術教えます】第8回 受注が欲しければアポは取るな

「余分な会話などせずとにかくアポを取れ」は正しいか

 

私のアポ取り術コラムでは常々「アポを取ることをゴールにせずに会話をゴールにせよ」と言っている。しかし、「それでは1件、1件のアポ取りに時間がかかる。余分な会話などせずにサッサとアポを取るようにしろ」と先輩や上司からは指導されるという話をよく聞く。
他にも電話アポ取り術を説いている人の発言を見ると、電話アポ取りでは余分な会話はせずにアポを取ることだけに専念しろ、というものが多いようだ。

これは2つのことを意味している。
・アポイントの質を求めない
・アポ取り術の質を求めない(一定時間内で1件でも多くの電話をかけることをめざす)

前者の、「アポイントの質を求めない」という点については、たしかにそういう商材はあると思う。アポ取り対象の顧客の誰にでも一定のニーズがあり、課題解決など考えずに、強力なクロージングをすれば売れてしまうというような商材。言い方は悪いが、アポさえ取ってしまえば強引に売りつけることができるような商材だ。
この場合、アポが取れるかどうかこそが大事なので、相手のニーズや課題などは掘り下げず、ストレートにアポ取りを狙うのが合理的だろう。

後者の「アポ取り術の質を求めない」という点についてはどうか。つまり、電話を1件でも多くかけることで一定のアポ数を稼ごうとする考え方だ。
私は基本的に営業は量であると思っている。ときどき、質を追いかけることを、量を減らす言い訳にする人がいるが、私はその考え方を支持しない。
しかし、質を無視して量だけを追いかけるのも、非効率極まりないと思っている。
重要なことは、量を減らさずに質を上げることだ。

 

アポ取りの確率を高めて、質と量の両方を追いかける

 

一定の受注を稼ぐためには一定の商談数が必要だ。一定の商談数を確保するためには、一定のアポ件数が必要だ。アポは、もっとも基本となる分母であるので、アポ件数は多ければ多いに越したことはない。
いかに商談やアポの質を上げようとも、この分母の絶対数は減らすべきではない。質が上がった代わりに量が減ってしまえば、結局受注件数は増えないからだ。

1日10件のアポを取るという数値目標があるとしたら、これは崩したくない。しかもこの10件のアポすべてを、いまよりも質の高いものにする。そうして初めて、受注件数が増える。

だが、アポ取りの質を高めるためには、これまで紹介してきたように、相当な創意工夫と労力が必要だ。1件の電話に対する工数も倍以上にかかるだろう。しかし、アポ取りスキルを向上させることができれば、たとえば、今まで1件のアポに50件の電話が必要だったものが、10件で済むようになるといった具合に、生産性の向上によって、一定時間内での成果は同じかそれ以上にすることが可能なのだ。

しかも、トライ&エラーを繰り返すことで、受注に至るまでに必要な営業スキル全体の向上につながる。もし、今何も考えずに、電話の件数だけをこなすことを続けていたら、営業スキルはいっこうに向上せずに、いつまでたっても質の悪い商談に振り回されて、ムダな時間を費やしてしまうことになる。

 

すべては受注のための活動でなくてはならない

 
営業の最終ゴールは受注である。すべての営業活動は受注へと向かわなくてはならない。
電話アポ取りはその重要な第1ステップであり、リストアップした顧客のスクリーニングである。

1.今すぐ商談を仕掛けていくべき顧客
2.今すぐには難しいが、いずれチャンスがありそうなのでフォローすべき顧客
3.当分商機が来ない、あるいは顧客のプロファイルとして売り込みが難しそうな顧客

電話をかけた顧客をすべて1~3に正確に分類し、1番目の顧客の中から確実にアポを取ることが理想だ。
しかし、アポ取りだけを目的にしてしまうと、どのようなプロファイルの顧客かいっこうにつかめないし、ムダな商談の数を増やしてしまうだけになる。

もし、商機がないことがわかればそれは、営業的には前進なのだ。受注のために大切なことは、より商機のある顧客を見つけ出すことであり、それは商機のない顧客をふるいにかけることでもあるのだ。

ただし、たとえば求人広告の場合「今採用の予定はありますか?ないのですか。承知しました。」と、単純なやり取りで商機のない顧客と判断してしまうのは早計だ。このコラムで何度も言っているように、実際には、もっと掘り下げてみないと本当にニーズがないのか、商機がないのか、はわからない。

私は時々アポ取り電話を受けるときに、
「あ、このサービスは、今すぐは使わないけど、将来的に使う可能性が高いな。しかも、この営業マンは好感が持てるから、買うならこの人から買いたいな。でも、今はちょっと会う時間は作れないんだよな。またちょくちょく電話してくれるといいな。」と思うときがある。
営業からすると、まさに「今すぐには難しいが、いずれチャンスがありそうなのでフォローすべき顧客」に分類しておいてもらっていいのだが、私もそこまではっきりとは言わないので、相手の営業マンがどう当社を判断しているのかはわからない。

でも客の立場からすると、確実にそのようなケースがある。そして、それは電話で営業マンとある程度対話することで初めて得られるものだ。
だからこそ対話が必要なのだ。

アポ取りだけを目的にしていると、対話のチャンスは得られず、結局将来的な商談のチャンスも得られない。「受注が欲しければアポは取るな」というのは、最終的に受注を追いかけるのであれば、アポを取るという目的をしばしば忘れて、徹底して対話にこだわれ、ということなのだ。
 

(文責 ナレッジサイン 吉岡英幸)

 
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