コラム

【プロの電話アポ取り(テレアポ)術教えます】第1回 「売れない営業マンの匂いは15秒でわかる」

 

なぜ電話アポ取り(テレアポ)なのか?

 

私のところには、毎日数件の新規営業アポイントの電話がかかってくる。求人広告、オフィス賃貸、営業代行から投資用マンションまでさまざまな業種の営業マン、あるいはテレフォンアポインターから電話がかかってくる。求人広告を出そうものなら凄まじい勢いだ。
自分もサラリーマン時代にはそのように連日電話でアポ取りをしていた経験があるので、そんなアポ取り電話に無下にはできない。どうしても手が離せないときや、明らかに当社には縁がないと思われるとき以外は、けっこうそういう電話に対応する。

電話に出るからと言って、アポを取って会うつもりでもないのだが、電話の向こうでは社長が出てきたということで期待を膨らませているのがよくわかる。なんとかアポを取ろうと声を上ずらせながら、一生懸命アポ取りトークを繰り広げる。しかし、相手の興奮とは裏腹にこちらの気持ちはどんどん後ろ向きになる。

彼らのトークを聞いていて思うのは、「ただ件数をかけることだけが目的になっているな」ということだ。たしかに、電話アポ取りには絶対量が必要だ。しかし、質を伴わなくていいわけではない。量と質の両方を高めなければならない。しかしながら、アポ取りトークにおいて「質を高めよう」という意識がまったく感じられないものが多いのだ。

おそらく彼らの上司は「とにかく件数をかけろ」という指導しかしていないのだろう。そして、質を高めることを求めず、質を高めるためにどうすればいいのかを指導することもないのだろう。そんな、アポ取りトークの裏に見え隠れする彼らの育成環境を思うと悲しい気持ちになる。
電話をかけてくるのはたいてい若い営業マンだ。そして、同じ人間が何度もかけてくるわけではない。だから、正確には、その人がどんな指導を受けて、その後どんな成長をしているのかは知らない。
しかし、アポ取りトークが、いまだに私が新入社員のころにやっていたダメダメなものとほぼ変わらない、という事実を見れば、アポ取りという営みにおける学習効果というものが、あらゆる組織で醸成されていないのがわかる。そんな環境では、アポ取りの技術を高めて業績を上げた上司や先輩などおらず、ただ機械的に電話アポ取りすることに苦痛を感じないことが、アポ取りにおける成熟なのだろう。とてももったいないと思う。

私は今でも新規営業で私自身が電話アポ取りをすることがある。さすがに一日に何十件もかけることはない。しかし、アポ取り確率はほぼ50%だ。それは、アポ取りの技術があるからだ。私は、サラリーマン時代から電話アポ取りに関してはけっこう自信があった。最初はとにかく件数を追いかける中で、いろいろと気づき、試行錯誤しながら自分のアポ取り技術を高めていった。
改めて自分のアポ取り技術をふり返ってみると、さまざまな創意工夫があり、形式知としていくことに価値があると思ったので、研修にすることにした。ここでは、私のアポ取り技術論をいくつか紹介したいと思う。
 

 売れない営業マンの匂いは15秒でわかる

 

買い手というのは、同じモノを買うのなら、売れる営業マンから買いたいものだ。売れる営業マンとは、つまり、お客様に付加価値を提供してくれる営業マンのことだ。同じモノでも、売れる営業マンから買った方が、付加価値が付く。逆に売れない営業マンから買おうとすると、付加価値がないばかりか、モノ本来の価値も低く見えてしまう。
私は、電話でのアポ取りトークを聞いているとき、15秒もあれば電話の向こうにいるのが売れる営業マンか、売れない営業マンか判断できる。これは別に特殊な技能ではない。誰もが、アポ取り電話に出ると、一瞬で「この人好感持てる」とか「この人なんかイヤだ」と感じることがある。そんな直感はけっこう当たっている。それと同じだ。

やはり、最初の第一声、ちょっとした会話のテンポ、言葉の使い方にビジネスパーソンとしての商品価値が投影されるものだ。この辺のコントロールの仕方は改めて触れるが、いずれにしても、電話アポ取りをしようとする場合、最初の15秒が勝負だと肝に銘じた方がいい。
実際には、最初の15秒をただの枕言葉と考えて機械的に口にする営業マンがほとんどだが、お客様は最初の15秒で、直感で相手の価値を判断し、その後はその判断が思考に大きく影響する。最初の15秒をどのように組み立てるかを、営業マンは真剣に考えないといけない。

資料や事例なんて要らねえよ

 

よく、アポ取りトークの中で、どうしてもアポを取りたいものだから最後は「お名刺交換だけでも」と、相手の慈悲にすがるようなお願いの仕方をする営業マンが多いが、「名刺交換だけで時間つくるほどこっちはヒマじゃないんだよ」と言いたい。
とりあえず名刺交換でもして一度でも会えば、そこから何かが開けるという可能性に期待しているのかも知れないが、そんな昭和的な感覚の営業は今の時代通用しない。また、そんな営業マンに限って、一度訪問した会社に定期的にコミュニケーションするという、いわゆる営業のABC分類における定期モニタリングをやっていない。

それならば、ということで、「最新の分析データをお持ちします」とか、「御社の業種に合った事例をお持ちします」とか、何かおみやげを持っていくことを示唆する営業マンが多いが、はっきり言って客はそんなものには興味はない。自分にとって興味のあるデータや事例しか興味ないのだ。相手が本当に興味のあるデータや事例を特定でき、それに見合うものが用意できるのであれば、それはベストだが、一方的な電話トークではまず無理だろう。
それならいっそのこと「あなたのリクエストに合わせて用意しますので、何が欲しいかおっしゃってください」と言われた方がいい。

これはあらゆる業界において言えることだが、「事例」とうものの解釈も売り手目線と買い手目線で異なるものだ。
以前に、求人広告の営業マンが「従業員30名の会社が一度に20名の人材を募集して採用した成功事例」なるものを紹介してくれた。その営業マンは、従業員30名ほどの小さな会社が、いかにして告知を工夫し、今の倍近くにもなる人材の獲得に成功したのかという事例を、どや顔で語っていた。

しかし、その話を聞いて私がもっとも興味を持ったのは、「30名の会社が一挙に20名も増員するなんて、どんな事業展開があったのか?それで採算は成り立つのか?収益モデルはどうなっているのか?」だった。経営者としては当然関心を持つところだ。
しかし、その営業マンは、そんな情報は何一つ持っていなかった。知っているのは、どんな広告表現をして、何人応募が来て、いつまでに何名採用できたか、だけであった。
売り手が売っている手段を、買い手がどのような価値に昇華させようとしているのか想像する、という発想を持っていない、まさに良い「事例」だ。

ゴールはアポではなく、会話にせよ

 

私が、電話でアポイントを取るときに、いつも心がけていることは、「アポ取りをゴールにせず、会話をゴールにする」ということだ。お客様といい雰囲気でアポが取れるためには、必ずそこに至るプロセスがある。突然のアポ取り電話に対する警戒心あふれる堅苦しい会話から、なごやかな会話に変わっていくと、アポはすんなり取れやすくなる。
人間というのは、根っこの部分では「心地よさ」を求め、心地よさが判断に大きな影響を与える。合理的な思考では、「会った方がいいのかな」と考えても、なにか心地よくないところがあると躊躇してしまう。逆に、「今スグ会う必要もないのかな」と思っていても、心地よさがあると「会ってもいいかな」となる。

また、会話に持ち込むということは、電話である程度商談が進んでいることにもなる。アポを取って実際に訪問する際も、より適切な準備ができるし、逆に会話が進むことで、商談の芽がないことがはっきりする場合もある。それならそれで良い。テレマーケティングの委託を受けている業者がアポの件数稼ぎを目的にしている場合なら別だが、実際に売ることが目的であれば、商談にならない顧客を電話だけで判断できれば、営業効率は上がる。
いずれにしても、この心地よい会話に持ち込むことがアポ取りのもっとも重要なゴールなのだ。次回からは、その「心地よい会話」に持ち込むためにどうすればいいのかを具体的にお話したいと思う。

(文責 ナレッジサイン 吉岡英幸)
 
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