コラム

【プロの電話アポ取り(テレアポ)術教えます】第3回 Rockに学ぶ15秒で恋に落ちる電話トーク

最初の15秒で私たちは曲に恋をする

 

以前のコラムで、電話アポ取りでは最初の15秒が勝負だとお話した。これは別に感覚で言っているわけではない。私たちの耳を通して体験するものは、ほとんど最初の15秒ぐらいで印象が決まる。ロックの名曲の数々がそれを証明している。
ロックンロールを発明したチャック・ベリーのジョニー・Bグッドでは、当時としては画期的なギターリフのイントロ12小節の16秒で、我々はノックアウトされる。
ビートルズのHELPでは、HELPで始まるサビのコーラスから、ギターのアルペジオ、ドラムが入り、Aメロに入っていくまでのゾクゾクする一連の展開までたった10秒である。

別にロックに限らないが、ポップス系のヒット曲は、最初の15秒を聴いただけで「この曲はヒットする運命にある」と感じさせる。1曲の長さにして2分~4分。名曲は最後まで聴いてその真価を味わうべきものだが、同時に15秒で恋に落ちてしまう魅力に満ち溢れているのだ。

人間が、耳から音を聞いて体験するものは、最初の時間帯で全体に対しての決定的な印象が出来上がる。1曲が比較的長いクラシック音楽でさえ、最初の15秒で圧倒的な印象を与えるものは多い。ワーグナーのニュルンベルグのマイスタージンガー前奏曲は、最初の15秒を聴けば、この曲の雄大さにたっぷりとひたれるし、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番も、管楽器の勇ましいイントロ15秒で、その後のピアノが入ってくる展開に胸躍らせる。
全体で2分~4分のロック、ポップスでは、最初の15秒が決定的であることがわかるだろう。
RUSHの2112では、最初の45秒ぐらいシンセのノイズをただひたすら聴かされるが、これはアーティストに忠誠を誓ったファンに聴かせることを前提にしているので例外だ。
しかし、移り気な音楽ファンに初めて聴かせる曲がこれでは誰もその先を聴いてくれない。

最初の4小節を心地よいリズムで話す

 

我々の電話アポも、ちゃんと会話がつながったとして、せいぜい3~4分のドラマだ。つまり、ロックやポップスの曲と同じく、3~4分の会話に持っていくために、最初の15秒で相手を虜にしないといけないわけである。電話の向こうは移り気な音楽ファンと一緒で、ヒット曲の匂いがしなければすぐソッポを向いてしまう。

それでは、15秒で相手の琴線に触れ、虜にしてしまうにはどうすればいいのだろうか。音楽の価値を決める要素は以下の3つだ。これを電話の会話にも当てはめて考える。
・リズム
・旋律
・音質

もちろん、歌いながら電話することはできない。もし試しにやってみたら、それはそれで、相手の関心をひき、逆にアポがとれるかも知れないが、ここは論理的にアプローチしよう。

心地よい話し声は良質な音楽と同じように、心地よいリズム、旋律、音質を持っている。この中でもっとも基本的で重要なのがリズムである。
以下に電話アポ取りトークを音符にしてみた。まずテンポであるが、いわゆるミドルテンポの曲というのは、一般的に「♩=120」ぐらいのテンポと言われている。これは四分音符が1分間に120拍打つということだ。つまり、四分音符1つが0.5秒のテンポだ。人間にちょうど心地よいテンポと言われている。

ただ、音楽と会話は少し違う。ここでは、少しテンポを落として「♩=115」ぐらいでいきたい。ちょうどディープパープルのSmoke on the Waterがこれぐらいのテンポだ。バックにSmoke on the Waterが鳴っている感じで行ってみよう。

たとえば、以下のような切り出しトークであれば、最初の1小節で自分の名前を名乗る。次の1小節で「恐れ入りますが」、最後の2小節で相手の名前を呼び出す。こんな感じで4小節を使う。「♩=115」ならここまでで8秒半ぐらいになる。美しい4小節を奏でることができれば、最初の15秒で相手を心地よくできる。
リズムとはリズム譜の譜割りだ。実際の話し言葉を譜割りにすると、1音は、ほぼ16分音符になるだろう。聴いていて心地よくないのが、この16分音符が休符なしにダラダラと続く感じだ。文節の後にしっかりと休符を入れて心地よいリズムを作りたい。
プレゼン力の研修でも、話に「間」を入れることの重要性を説いているが、音符にすると、こんな具合だ。
私が受けるアポ取り電話で不快なのは、テンポが「♩=140」ぐらいと速く、しかも16分音符がちょっと跳ねているリズムの話し方だ。ちょうどスカを聴いているような感じ。いきなり電話でスカを聴かされたらあまり気分のいいものではない。

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会話でも旋律と音質を意識する

 

次に旋律だが、さすがにミュージカルのように歌いながら話すことはお勧めしないが、実際の話し言葉もある程度トーンの変化がある。上記の楽譜の音符は実際のものを正確に反映したわけではないが、話し言葉のトーンの変化を少しでも表そうとして極端な変化をつけてみた。
聴いていて不快に感じるのは、ずっと同じトーン、あるいはどんどんトーンが高くなっていく場合である。だから、ときおりトーンを低くして、変化をつけることがポイントになる。特に、「××社長をお願いします」と言った、重要なメッセージを伝える際は、それまでよりもピッチを1~2音低くすることを意識しよう。
人は、低めの音に対して「慎重さ」、「注意深さ」を感じ、少していねいに扱おうとする意識が働く。

最後に音質。これは声の質だ。これは人が生まれながらに持っている声質に左右される部分が多いが、その声質を最大限に生かすことを意識しよう。
実は、人の声の印象というのは「倍音」によるところが多い。倍音とは、簡単に言うと、基本となる一つの音以外にもなっている音のことだ。生楽器や人間の声というのは、機械が鳴らしている信号音とは違っていろんな部分で共鳴して、さまざまな成分の音を含んでいる。
倍音について専門的に説明すると難しくなるので、「いい響きの声をしているか」という視点で考えてもらいたい。魅力あるシンガーは、ただ音程がしっかりしていたり、高い声が出たりするだけでなく、声に表情を持っている。一流のシンガーというのは、自分の声をもっとも美しく響かせる術を知っている。
そういう意味では、我々は常に自分の声が持っている最高の響きを引き出しているわけではない。声優のように魅力ある声に作り変えることはできないが、自分の声を最高の状態で響かせることで、声はもっと艶っぽく、心地よい音になる。
時折、アポ取り電話に出て、声を聴くだけで好感を持つことがある。それは、そもそもいい声を持っているというより、いい響きをさせているからだ。

自分の声をいい響きにするためには、どうすれば良いのか。専門的な手法はさまざまあるが、誰でもできる簡単なことは、お腹から声を出すことだ。喉だけで声を響かせようとしても、あまりいい響きは得られない。お腹から空気を送りこむことを意識するだけで、声の響きはぐんと良くなる。いい響きの声は自信を感じさせ、安心感を与える。

ぜひ、メトロノームを使って、テンポを確認しながら、リズム、トーンと声の響きを意識して話す練習をして欲しい。
そうすれば、あなたの電話の最初の15秒がスティービー・ワンダーの ” I just called to say I love you”のように聴こえるだろう。

(文責 ナレッジサイン 吉岡英幸)

 
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