コラム

グローバルファシリテーターが説く「ファシリテーションができるグローバルリーダーになろう」 第2回 グロ-バルリーダーに必要なのはKey Messageを見つけられるツッコミ力

このコラムでは、プロのファシリテーターである私自身が、2年前から世界を舞台にグローバルファシリテーションに挑戦し、いろいろと試行錯誤ながら学んだことを、等身大で語っていきたいと思います。
 

外国人はツッコミ好き

 

海外で研修講師や、ワークショップのファシリテーションなどをするときに、顕著なのが、講師が講義している最中に、受講者が講師の話を遮り、どんどんと話しかけてくることです。
日本だと、講師に何か質問がある場合、いったん講師の話を聞き終えてから質問するのが一般的ですが、海外ではそんな遠慮はありません。思いついたときに質問をしてきます。

質問ばかりではなく、「あるある」的な合いの手だったり、「それって実は~じゃない?」と言った笑いを誘うツッコミだったり、さまざまですが、いずれにしても、海外では、コミュニケーションは常にインタラクティブです。
プレゼンテーションを聴く場合も、プレゼンターと聴き手を明確に線引きするというより、双方向でコミュニケーションしながらプレゼンテーションを完成させていく、という感じのスタンスですね。

だから、会議などで誰かが発言している時も、最後まで黙って聴いてくれることはあまりありません。他人の発言に対して何がしかの介入をしてきます。この際の介入仕方ですが、以下の2通りがあります。
・完全に自分の発言に取って代わろうとする介入
・ちょっとツッコミを入れるだけの介入

前者の方はあまり歓迎できませんが、後者はごく当たり前のやり取りです。海外でのディスカッションに慣れていない日本人は、自分の発言の際に後者のようにツッコミを入れられた際に、批判されている、あるいは拒否されている、と感じることがあるようですが、それはグローバルなコミュニケーションスタイルと理解した方がいいでしょう。
そして、このツッコミ力を強化することは、グローバルリーダーとしての説得力を高めるために必須なのです。

ツッコミは対話型コミュニケーションの主導権を握る

 

少し、「ツッコミ」というものについて語ります。
私は神戸生まれで、子供のころから漫才や関西のお笑い文化に親しんできたので、漫才におけるボケとツッコミの役割にはかねてより強い関心があります。漫才におけるボケとツッコミですが、笑いを作り出す際に一見ボケの方が重要に思えますが、実はツッコミの力量次第で、笑いの価値は決まるのです。

同じボケをしても、ツッコミのタイミング、ツッコミ方によって、おもしろさは随分ちがいます。ツッコミは「笑い」を完成させる重要な役割なのです。

私が議論のファシリテーションをする際に、ファシリテーターとして強く意識していることの1つが、参加者に、議論に貢献している実感を持ってもらうことです。そのために「ツッコミ」の力を大いに活用しています。

参加者が何か発言した際に、何かフォローせずにそのままスルーしてしまうと、あまり価値のない発言で終わってしまうことが多いのです。しかし、「今の発言はこういう観点で興味深い指摘ですね」と一言ツッコミを入れると、その発言の価値がぐっと上がるのです。

私は、そのように、発言内容に価値を持たせるようなツッコミをいつも心がけています。
これは、ファシリテーターとして、参加者が気持ち良く議論に臨めるための配慮であり、重要な論点に気づかせるための支援なのですが、ファシリテーターとはまさに、そのように、自分が発言の主体ではなく、他者の発言にツッコミを入れることで議論全体をクリエイティブにする役割なのです。

これは、見方を変えると、他人の発言に乗っかって、オイシイところを持っていく、得な役回りとも言えます。最小限のエネルギーで、自分が主役になることができるのです。

絶妙なワン・ワードで影響力を持つ

 

このアプローチは、ツッコミが当たり前の、海外でのディスカッションでは、より有効に機能します。
私自身、海外で議論の一メンバーとしてディスカッションに参加する際に、どうやって影響力を発揮するか、いろいろと試行錯誤しました。よくしゃべる外国人に負けないように、自分はもっとたくさんしゃべろうとか、もっと我を強く出して発言しようとか、とにかく前に出ることを意識していたのですが、それよりも、他人の発言に鋭いツッコミを入れることの方がよっぽど影響力を発揮できるということがわかってきました。

有効なツッコミのコツは、他人の発言を簡潔なキーワード、しかもワン・ワードで要約することです。
It’s resilience.
と言った具合です。
簡潔で、印象深いキーワードを発すると、他のメンバーがそれに食いつき、文字通り鍵となって独り歩きし始めます。そんな、重要なキーワードを1つでも多く発した人が、グループの中で影響力を持っていくのです。
よくしゃべる外国人を前にすると、かつての私がそうだったように、外国人に負けないぐらいのボリウムでしゃべろうとする日本人が多いのですが、簡潔で重要なキーワードを発信できることの方が重要なのです。

海外ではよくKey Messageと言いますが、なかなか収束しない議論をまとめていく際に、みんなが「目からウロコ」の重要なワードを見つけ出し、それを軸にして議論を収束させようとすると、議論がうまく回りだすことがよくあります。そんなKey Messageを発信できるようになると、影響力が大きく高まるのです。

その効果を知ってから、私は海外でのディスカッションでは、他人の長い発言を聞きながら、「みんなが食いつくうまいワン・ワードはないかな?」とそんなことを一生懸命考えていました。まさに瞬発力の勝負です。
ですから、皆さんもツッコミの一瞬の瞬発力で議論のリーダーシップを握る、そんなアプローチにぜひ挑戦してみてください。

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