コラム

英語で会議。グローバルミーティングを成功させるためには ”グローバル人材育成なら英語でファシリテーションでしょ?”コラムVol.5 

このコラムでは、プロのファシリテーターである私自身が、2年前から世界を舞台にグローバルファシリテーションに挑戦し、いろいろと試行錯誤ながら学んだことを、等身大で語っていきたいと思います。

今回、シンガポールのパートナーを招聘して、日本で「英語で学ぶグローバルファシリテーション・ワークショップ」を開催することになりました。文字通り全編英語で実施します。3日間英語漬けです。⇒(6月23~25日 グローバルファシリテーション・ワークショップ)

シンガポールまで足を運んで、実際に生のダイバーシティを体験いただくのが一番いいのですが、そうは言っても交通費もかかるし、前後で1週間近く出張して日本を空けるわけにもいかない、という人が多いでしょう。
なので、シンガポールから講師を招いて、シンガポールでやっているものと同じワークショップを日本でやることにしました。
そこで、ファシリテーションの観点からグローバルリーダーとして必要なことをお話していきたいと思います。

 

そもそもアジェンダありますか?

 
今回は、グローバルミーティングを成功させるコツについてお話しましょう。
ここで言うグローバルミーティングとは、主に日本企業がグローバルの本社という立場で、海外子会社のスタッフなどを集めて、グループ全体の方針を議論するようなミーティングを想定しています。

私はIT業界で仕事をすることが多いので、企業のIT部門のグローバルミーティングの様子を聞くことがよくあります。
日本本社のIT部門と海外子会社IT部門両方のスタッフが顔を合わせて、グローバルのITポリシーなどについて議論するのです。

こういうケースで、外国人スタッフから聞かれる素朴な疑問のベスト1は、「日本人って特に議論すべきアジェンダがないのに、なぜ会議をやりたがるんだ?」です。
わざわざグローバルミーティングと銘打ってスタッフ全部集めて会議をするけれど、アジェンダらしきものが特にない。日本では、「とりあえず顔合わせでいろいろ情報交換しましょう」というのが立派なアジェンダになるのですが、海外では「会議というからには何か決めなきゃいけないことがあるんだよね。」という感じで構えていますから、「いやあ、いろいろと情報交換できて有意義でしたね」で締めようとすると、「えっ?このためにわざわざ日本に読んだの?」と困惑します。

さすがに最近は、日本企業と付き合いの長い外国人になると心得たもので、「いやあ、本当に有意義でしたね。」と日本人顔負けの社交辞令で返してきます。もともと建前で褒めることのうまい外国人に社交辞令を言わせたら、日本人などかないません。日本人は本気で「いやあ、このグローバルミーティング大成功だったな」と勘違いしてしまいます。

議論して決めることは何かをはっきりする

 

これは別にグローバルミーティングに関わらず、会議を開く際のルールですが、会議を開く際には、それが知恵を出し合うだけのブレストなのか、意思決定をする場なのか、目的をはっきりしなければなりません。
そして、海外では「会議」と言えば、たいてい意思決定を伴うものである、という認識を持ちます。ですから、何について意思決定をするのか、きとんと明示しなければなりません。

日本企業が主催するグローバルミーティングで多いケースとして、日本企業が決めたグローバルポリシーなるものを海外の子会社に説明してまわるようなミーティングがあります。
このときに日本人スタッフは、「外国人はなかなかオレたちの言うことを素直に聴かないんだよな」とよく不満をこぼしますが、逆に外国人スタッフにとっては、以下のような点が不満です。
・これは決定事項だよ、と言うがいろいろと意見を求めてくる
・意見を求めてくる割には、あれこれ注文を出すとイヤがる
・いろんな注文を出したものが受け入れられるのかどうか、結局よくわからない

つまり、本社が決めた事項ですよ、これを守ってね、と言いながら「イヤだよ」と言えば、拒否できるのか、イヤでも守らないといけないものなのか、拒否できるとすればどの部分なのか、それがはっきりしないので、外国人スタッフとしては、ものすごくストレスを感じるのです。

日本的な文化の中では、そういうやり方はわかります。従業員としては、素直には受け入れられない会社の人事方針などを、マネージャーが、なだめたり、すかしたりして、結果的にはうまく呑みこませる。
このときに従業員の不満や要望に共感は示すが、従業員の要望を会社として受け入れるかどうかは曖昧にしたまま、なんとか会社の方針を納得させる。

それに似たようなスタイルで、海外のスタッフを納得させようとして、そのためにグローバルミーティングを開こうとして失敗するケースが多いのです。

グローバルミーティングの際は、
・ミーティングを通して何を決めたいのか
・議論の参加者の意思で決められることは何なのか
・議論の参加者の意思で決められないことは何なのか
これを明確にすべきです。

チームビルディングという言葉を安易に使わないで

 

外国人スタッフといろいろと協働していくためには、信頼関係づくり、土壌づくりが必要です。やはり人間ですから、顔を付き合わせて、いろいろと本音で対話することで理解し合えます。外国人は意外と日本人より浪花節な部分があったりしますし。

でも、だからと言って「土壌づくり」をグローバルミーティングの目的にしていいかどうかは別です。
最近は、グローバルミーティングのファシリテーションの相談が多いのですが、何を目的としているのか、よくわからないケースが多々あります。

・そもそものグローバルミーティングを開催する目的は何か
・グローバルミーティングのアジェンダは何か
・グローバルミーティングのゴールは何か
・ファシリテーターの手を借りないと難しいことは何か

私は、必ずこれらのことを聞くのですが、明確な答えが返って来ないことが多いのです。
「今度、アメリカのスタッフも呼んで初めて顔合わせのミーティングをするけど、なんだか不安だなあ。とりあえず、グローバル関係のファシリテーションできる人に投げちゃおうか」
みたいな感じの相談が実に多いのです。

グローバルミーティングに際してのチームビルディングをして欲しいという依頼もあるのですが、

・とりあえずお互いのことを理解しあっていい雰囲気をつくることめざすのか
・特定のテーマを議論するための共通認識を作るのか
・お互いの強みを理解し、協働のルールを共有して、チームの機能性を高めたいのか
・チーム内に関係性の問題があり、それを解消したいのか

どういう目的のチームビルディングなのか聞いても「いやあ、とりあえず初顔合わせなんで、チームビルディングかと思って・・・」という返事になることが多いのです。

こんな感じで海外のスタッフに「今度グローバルミーティングやりますよ」と言っても、「何するの?」という感じになります。

結果として「チームビルディングができた」と評価するのはいいのですが、「とりあえずチームビルディングしたい」ということだけを目的にして、その後何を達成したいのかを明示しないと、「そもそも何のためのチームビルディング?」と相手を困惑させるだけです。
最近は、「日本本社がグローバルミーティングしたいとか言ってきたら、2時間ほど適当な笑顔つくってなんとかしのごう」という風に、日本本社の「かわし方」を心得てきている海外グループ会社のスタッフが多いので、よけいに、自己満足のグローバルミーティングがあちこちで繰り広げられているように思います。
「会議」の舞台をグローバルにするのならば、日本の「会議の常識」から離れないといけないのです。

※関連イベント:11月9~11日に「英語で学ぶグローバルファシリテーション・ワークショップ」を開催します。詳細はこちら

お気軽にお問い合わせください。TEL 03-3555-6901受付時間 9:30~18:30(土・日・祝日除く)

メールでお問い合わせはこちら

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

このページの先頭へ