コラム

【チームReKG(リケジィ)レポート】シニア技術者インタビュー Vol.4 久保義貴さん

シニア技術者人材の求人ニーズが高まっています。アクシスコンサルティングでは、シニア技術者人材のコミュニティ、チームReKG(リケジィ)を運営しています。
ナレッジサインでは、チームReKG(リケジィ)の運営とファシリテーターを務めております。

ここでは、チームReKG(リケジィ)に所属するシニア技術者、モノづくりフェローの方々に対して、ナレッジサインの吉岡英幸がインタビューした記事をご紹介していきます。

プロフィール

●お名前 久保 義貴さん
●年齢 68歳(2017年2月時点)
●略歴 国内の自動車部品製造会社で長年に渡って生産技術に従事。その後、日本の自動車メーカーのアメリカ工場で7年間ほど部品開発に携わり、中国の建設機械メーカーなどで生産管理や技術教育、監査などに携わる。2013年よりアクシスコンサルティングで技術顧問として活動を始め、中国の企業を60社近く訪問。技術顧問としてのコンサルティングの提案から、実際の技術指導までを手がける。

中国では、日本人は何でも知っていると思われていますので、「わからない」とは絶対言えないのです

― 技術顧問としてお仕事をすることになったきっかけは何でしょうか。

久保:中国の建設機械メーカーの仕事から帰ってきたときにアクシスコンサルティングの方から声がかかりました。そこで、とある中国企業の生産改善のコンサルティングを始めたいので、協力してもらえないかと持ちかけられました。「協力しましょう」とお返事しましたら、「来週から中国に行ってください」というお話になりました(笑)。

― 定年をされた跡に、一年間中国でお仕事をされていたのですね。

久保:国内の自動車部品メーカーで定年を迎えて、生まれて初めて職安に行きました(笑)。そんなとき、ある人材紹介会社から声がかかりました。日本で面接を3回、スカイプでの面接を1回、最終的に現地で総経理と面接をして、仕事をすることが決まりました。

― アメリカで7年間仕事された経験はありますが、中国への赴任は初めてですよね。定年してから初めて中国へ赴任することに抵抗はありませんでしたか。

久保:単身でしたが、行ってみたいと思いました。何回も面接してふるいにかけられて採用が決まったわけですから、期待も高いと思いましたし。行ってみると、日本人専門家ということで、ものすごく優遇されました。びっくりしましたね。この日本人は本当に信頼できるのか、中国の方にとっては、言葉が通じなくても、態度でわかるようです。ですから、私も一番大事にしたのは信頼関係でした。
また、中国では、日本人は何でも知っていると思われていますので、「わからない」とは絶対言えないのです。いろんな質問が来ますので、すぐには回答できないことでも、「なんとか調べて答えます」と言って、調べながら答えることで信頼ができるのです。

日本でいろいろとリサーチをして、具体的に提案したものが受け入れられ、成果を出したときは嬉しいですね。

― 中国でお仕事をしていたときに、仕事の成果として印象的な経験は何かありますか。

久保:中国にいたときに、10人ぐらいのグループで、日本のQCサークルのような活動を始めました。そして、3カ月に1回成果発表をやるなどして、大変喜ばれたのが、印象的な経験ですね。

― 定年後に技術顧問として活動しようと動き始められたときには、いろいろとスカウトなどがあったのでしょうか。

久保:やはり人材紹介会社に登録していないとダメですね。定年して半年間はぶらぶらしていたんですが、そのうちつまらなくなってくるんですね。そこで、人材紹介会社に登録したら、すぐ声がかかってきました。

― 今はどのようなプロジェクトに関わっておられるのですか。

久保:中国の電気自動車のメーカーのプロジェクトで、私を含めて4人の技術者を日本に置き、R&Dの出先機関のような形で仕事をしています。4人それぞれに専門があり、電池関係が2名、自動車開発全体について1名、私が軽量化を担当し、チームのリーダーも兼務しています。日本サイドでの主な仕事は、日本の新技術のリサーチをして中国の会社に紹介することと、提携できそうな日本の企業の紹介です。また、毎月2週間中国に行き、顧問的な立場で指導したり、教えたりしています。
新車開発の大きな計画があり、そのゲート管理の中で、節目節目でどんな成果があったのかを明確にしながら開発の進捗管理をします。

― 技術顧問のお仕事のおもしろいところは、どういうところですか。

久保:日本の常識と海外の常識が違うことがあります。日本人からすると、理解に苦しむ部分も正直あります。でも、それは海外で仕事をするうえでは承知しながらやらなければいけません。中国の経営者も同じように悩んでいるのです。教育をして我々の常識に近づけていくことが必要な場合もありますし、違いを受け入れてやるべきところもあります。
そんな苦労を乗り越えながら成果を出せるとやはり嬉しいですね。日本でいろいろとリサーチをして、具体的に提案したものが受け入れられ、成果を出したときは嬉しいですね。日本人の専門家ということで、割と素直に聞いてくれる土壌があることもいいですね。

常に自分を鼓舞して、新しいものを学び、身につけていきたいですね。これは、技術者のサガのようなものですね。

― 久保さんにとって、”好きな仕事”というのは、どういうものですか。

久保:私は機械工学出身で、中学のときから機械いじりが好きで、将来機械の仕事がしたいと思っていました。国内の自動車部品メーカーに就職して、10年ぐらいして係長クラスになったときに、ある大きなプレスのラインを自動化する仕事があったのですが、みんなで相談しながら、徹夜などして苦労してやった結果、それで本当に自動化したラインがちゃんと動いたときは、本当に嬉しかったです。その感触が今でも忘れられないんですよ。

デスクワークでPCをたたいてモノを調べるのは、あまり好きではありません(笑)。だから、中国の会社に行くと、「まず現場を見せてください」と言います。現場を見れば問題がすぐわかります。そこで気づいたことを改善提案して、受け入れられる時が一番嬉しいですね。

― 今後どのような仕事を続けていきたいですか。

久保:もっと中国の中小企業に行って、経営改善などの支援をしたいですね。あと10年はやりたいですね。健康が許す限りは。仕事をしていればボケませんよ(笑)。
勉強したいこともたくさんあります。電池関係は、私は素人なので勉強しないといけません。図書館に行って本を探して、たくさんの本を借りてきて勉強します。
自分が知っている範囲だけで何かをやることには、あまり魅力を感じません。常に自分を鼓舞して、新しいものを学び、身につけていきたいですね。これは、技術者のサガのようなものですね。

― 技術顧問として仕事していくうえで必要なことは何でしょうか。

久保:技術を持っていることと、コンサルティングができることは別ですので。コンサルタントとしての技術を身につける必要がありますよね。私自身もそのような指導をしていますが、海外で仕事をすることとはどのようなことなのか、やるべきこと、やってはいけないこと、技術顧問の仕事で必要な能力とは何か、をきちんと学んで、コンサルタントとしての技術をしっかりと磨く努力を続けることが必要だと思います。

2016年9月9日
インタビュアー:チームReKG(リケジィ) ファシリテーター ナレッジサイン 吉岡英幸

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