◆会議室がペーパーレスであるということ
会議の効率化が謳われる際、重要なキーワードの一つにペーパーレス化がある。今や「ペーパーレス」は、会議だけでなく、企業のあらゆる業務の効率化を考えるうえで重要なキーワードだ。また、環境問題の側面からもムダな紙資料をなくすことは必須の流れと言っていい。
会議の際、テーブルを埋め尽くすたくさんの紙資料に半ば埋もれながら議論を進めることは多い。たしかにこれは創造性を発揮できる環境とは言えない。
会議室から一切の紙資料を排除する。それだけで、とてもスマートでクリエイティブな空気が流れ、創造的な議論が沸き起こりそうだ。
一方で、私は、会議室にめいめいがノートPCを持ち込んで、PCの画面を見ながら、あるいはメモ代わりにPCをカチャカチャ言わせながら議論する光景が、生理的にあまり好きではない。
議論をクリエイティブにするということで言えば、会議室から紙資料をなくすという意味でのペーパーレス化は、創造的な議論に貢献しないと私は考える。
◆紙資料の意味を考える
ここで紙資料の役割を考えたい。一つは参照する資料としての紙ドキュメント。もう一つはメモとしての紙。紙資料が存在するということはつまり、自分の手元に、読んだり、書いたりという個人作業ができるツールがあるということだ。
会議がクリエイティブになっていない瞬間というのは、会議参加メンバーの多くが議論に集中していない瞬間である。ぼうっとしているか、手元の紙資料を凝視している。または全然関係ない箇所を見ている。議論とは関係ないことをメモしている、など。それぞれが議論に集中せずに自分の世界にこもっている状態では、全員の創造性は引き出されない。
これはノートPCを持ち込んだ場合でも同じことが起こり得る。むしろノートPCの場合、参照したりできる素材も多い分、自分の世界にこもれる自由度も高くなる。会議中に平気でメールを打っている者がいる時代だ。
ペーパーレス化がムダな紙資料の排除だけではなく、創造的な議論に貢献するためには、紙にとって代わるツールが議論への集中を促すものでなければならない。
◆ペーパーレスによって議論への集中を促せるか
それでは、紙を使わないで議論に集中させるツールを考えてみよう。わかりやすいのは、プロジェクターを使った議論だ。報告内容などをプロジェクターに映し出し、それを全員が参照しながら議論する。
もっと原始的で集中するペーパーレスツールと言えば、ホワイトボードだろう。プロジェクターが完成されたものを映し出し、参照するだけなのに対し、ホワイトボードは原則ゼロから始まって、議論しながら完成させていき、最終的に参照する対象になる。創造していくツールだ。
プロジェクターとホワイトボードはともに集中させるツールであり、前者は参照のために、後者は創造のために集中を促すツールと言えるだろう。
簡単に言えば、プロジェクターとホワイトボードの2つの機能。参照と想像が同時にできるツールがあれば、それは、ペーパーレスによって議論をクリエイティブにするツールと言えるのではないだろうか。
文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
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