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ナレッジワークショップ議事録
プロのファシリテーターのテクニックをわかりやすく解説
〜ファシリテーター meets IT〜
ITツールで会議は劇的に変わるか
第3回

「グラフィックツールの有効な使い方」
(2008.03.27)

吉岡 英幸
株式会社ナレッジサイン 代表取締役

株式会社ナレッジサインでは、株式会社NEC情報システムズと共同で、同社が開発した会議支援システム
『ConforMeeting/e』を活用した、会議コミュニケーションの活性化に関するワークショップを実施しました。このワークショップを通じて、ファシリテーションのテクニックとITのツールを融合させることでいかに会議コミュニケーションを活性化させることができるか、さまざまな視点で検証をしました。3回シリーズのコラムの今回は第3回です。


『ConforMeeting/e』をファシリテーターの目でレビュー

 昨年11月にNEC情報システムズと共同で、「経営会議から会議をクリエイティブにするためのワークショップ」を開催したのだが、このワークショップを開催するにあたり、『ConforMeeting/e』をファシリテーターの視点でレビューさせてもらった。

『ConforMeeting/e』はペーパーレス化が最大のセールスポイントであるが、このコラムの第2回でも話したように、会議室から紙をなくすということと、議論がクリエイティブになるということはイコールではないと私は考えている。

なので、『ConforMeeting/e』のプレゼンツールとして持つ機能が、創造的な議論にどれだけ貢献するかという視点でレビューしてみた。

結論から言うと、『ConforMeeting/e』はプロジェクター兼ホワイトボードであると考える。第2回のコラムで、会議の参加メンバーを議論に集中させるツールとして、参照のためのプロジェクターと、創造のためのホワイトボードがあると言ったが、『ConforMeeting/e』は、まさに参照と創造の機能をドッキングさせたものだ。

プロジェクターとホワイトボードの機能の融合
 『ConforMeeting/e』の持つ『報告』という機能は、全員の端末に一斉に同じ画面を表示させる機能で、そこはまさにプロジェクターそのものだ。目線はそれぞれの端末にあるが、参照すべきものを一元化することで集中させる。ただ、手元の操作で、自分が見たい他の資料に容易に画面を切り替えられるので、自分の世界にこもることも可能だ。そういう点では、プロジェクター1点に目線を集中させる、物理的な集中の効果には及ばない。

 しかし、『ConforMeeting/e』の優れている点は、参照している画面に直接手書きで書き込んだ内容を全員と共有できることだ。プロジェクターが一瞬にしてホワイトボードに変わるのだ。参照と同時に創造作業が行える。この強みは大きいと感じた。

 報告内容を参照しながら、思いついた意見をそのドキュメントに書き込むことで共有できる。ツールの存在が、受け身的な「報告」の時間を一瞬にして能動的な「議論」の時間に変えてしまうのだ。

 同様の機能を持つものとして、ホワイトボードのように直接書き込みができるモニタースクリーンがある。まさにプロジェクターとホワイトボードの一体化だ。こういうものも使えると思う。

 『ConforMeeting/e』の場合は、自分の端末に直接書き込んだものを全員の画面に反映できる。つまり、いちいちホワイトボードの前に移動しなくても、ホワイトボードに参加できるわけだ。

 みんなでホワイトボードの前に集まるという物理的な一体感は私も重要だと思う。ただ、4〜5人の会議なら良いのだが、10名規模の会議になると、ホワイトボードの前に集まるのはごく一部になってしまい、「声の大きい人中心に会議が進む」と似た構図を作り上げてしまうことにもつながなる。

 その点、手元の端末が「いつでもホワイトボード」なら、声の小さい人の意見を一瞬にして反映することができる。より能動的に全員の意見を表出させるという言う点では、優れたツールになると思った。

ツールを使いこなすアイデアやスキルが必要
 このように、『ConforMeeting/e』のようなツールは、ファシリテーターの視点から見て、議論をクリエイティブにするうえで、いろんな可能性を秘めたツールであると感じた。

ただ、ツールの持つ機能そのものが、会議参加者の創造性を引き出すかというと、それは難しいと思う。このようなツールを、創造的な議論のために使いこなすには、会議の活性化に関する知識やスキルを持った人間のアイデアや工夫が必要であろう。

 会議ファシリテーションにおいては、ホワイトボードを使った図解の仕方など、グラフィックなフレームワークがさまざまに活用される。『ConforMeeting/e』のインタラクティブな特性を生かした、オリジナルの、創造的な議論を生むフレームワークがいろいろ考えられそうだ。昨年実施したワークショップでも、さまざまなフレムワークを考え出し、実際に使ってみたところ、とても効果的であった。ファシリテーターとしての創造性を引き出された思いだ。それだけに工夫が必要だと強く実感もした。

「ITツールで会議は劇的に変わるか」という問いに対して、私の結論としては、「ツールだけでは改善しか起きない。しかし、適切なファシリテーション技術と融合させれば、劇的な変化が起こる」である。

                                                           文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸

このコラムの第1回はこちら

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