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純ジャパ・グローバルファシリテーターの英語でファシリテーション初体験記 Vol.2「やっぱり開き直りが一番の自信になる」

今では、英語でのファシリテーションを学ぶワークショップ、SPOTlight on Facilitationのオーガナイザー、ファシリテーターとして、いろんな方に英語でのファシリテーションのノウハウをお教えしている私ですが、私自身は純ジャパで、2013年まで英語での仕事にまったく縁がなかったのです。それが、2013年に思い立って、英語でのファシリテーションの世界に足を踏み入れ、今に至るのですが、今のパートナーのFNS(Facilitators Network Singapore)に出会い、SPOTlight on FAcilitationを日本で展開することになった原体験を、恥ずかしながら公開します。

帰国子女や、バリバリに英語で仕事をしてきた人でなくても、ファシリテーションの力を借りることによって、英語でのファシリテーション、ダイバーシティな中でリーダーシップを取れるんだという、勇気を持ってもらうために意外な?私の英語でのファシリテーションの入り口を紹介します。

デモ演習のプランニングのために、グループ内で真剣なディスカッション

2日目の最初はCheck-inセッションから始まる。前日のワークショップでもっとも意義深かったことについて一人ずつ語り合う。
海外の研修に参加して改めて感じるのは、受講者の積極性だ。日本の研修では、誰かに代表で実演をしてもらおうとしてもなかなか立候補者が現れない。全員が発言するセッションでさえ、「それじゃ端の人から時計回りに」となることが多い。
しかし、今回のワークショップでは誰ひとり躊躇しない。質問も活発だし、積極的に自己表現する。この姿勢は大いに見習いたい。

私は、1日目に紹介されたファシリテーションの基礎的なテクニックや、ツールの使い方がやたら細かい決まり事を伴っていて、それに正直驚いたことを伝えた。
たとえば、フリップチャートの壁への貼り方、マスキングテープの使い方、推奨メーカーまで、やたら細かい説明があった。
プロは細部にこだわるものではあるが、正直新鮮な驚きであった。日本だとホテルの会場の壁にマスキングテープを貼るのは少し憚れるのだが、その辺は頓着しないというのもおもしろい。

2日目はいよいよ与えられたケースをもとにグループ交代でファシリテーションをする。3~4名で構成される5つのグループが、とある事情を抱えた会社の異なる5つの会議をファシリテーションするというものだ。
セッション1では、グループAがファシリテーター、グループB,Cが会議の参加者、グループD,Eがオブザーバーという風に役回りを決め、それをローテーションしていく。
同じ会社のケースではあるが、5つの会議はそれぞれシチュエーションが異なる。ある会議は、役員が集まって経営ビジョンを決める。他の会議では、同じ会社の対立する営業とカスタマーサービスの会議という具合だ。

私が所属するグループは4番目にファシリテーター役をする。それまでは、オブザーバーや会議参加者を演じながら、他のグループのファシリテーションの出来を観察できる。
当然他のグループよりもうまくやろうという野心が沸いてくる。自分たちの番が来るまでの時間、ちょっとしたブレイクや昼休みも含めて、時間があれば「どのようにファシリテーションすべきか?」を徹底的に議論する。

我々に与えられたケースは営業部とカスタマーサービス部の対立を解いて、共通のゴールを設定するというものだ。テキストでは、どんなフレームワークを使うべきかが推奨されているのだが、私から見るとどうにもおもしろくない展開になりそうだ。
単純にお互いの妥協点を見出そうとするアプローチのように見えて、コラボレーションの空気が感じられない。

そこで私は、ファシリテーションの進め方を当初考えていたものから大胆に変えることを提案したいと思った。思ったはいいが、実行が難しい。グループメンバーが理解できるように伝え、なおかつ納得させなければならない。
私は持てる英語力を駆使して、なんとか私の意図を伝えようとした。メンバーは忍耐強く聞いてくれるものの、今一つ正確に伝わっているとは言い難い状況が続き、私自身ストレスを感じる。

こっちもプロだ。プロのプライドにかけて、英語云々については開き直って議論を進めてやる

これまでであれば、英語でなかなかうまく伝えられないときは、「いや、やっぱりいいです。そっちで行きましょう。」と伝えること自体をあきらめてしまうのだが、やはりそこはプロとしての意地がある。明らかにクリエイティブではない議論に導くことが見えていて妥協することはできない。だから、多少英語が危なっかしくても伝えきるまであきらめなかった。
これは、私が実際に数多く経験した中から予測される結果を招くであろうこと、もっとクリエイティブな議論にするためには、このような方法が望ましいこと。ただし、短い時間でのファシリテーションではかなりチャレンジングだが、それでも挑戦したいと思うか確認しておきたいこと。
そんなことを一生懸命伝えながら議論を重ねる中で、メンバーも私のプロとしての意見に敬意を払い、私の方針に同意してくれた。

実際のファシリテーションのセッションでは時間が足らず、意図したことは半分ぐらいしかできなかった。しかし、私の中には大きな満足感が残っていた。
ここに至るまでグループメンバーと徹底的に議論できたこと。いつしか、英語力云々を意識せずに夢中でディスカッションに没頭していたこと。その結果メンバーの心をつかむことができたこと。
本ワークショップでも繰り返し強調されていたファシリテーションの重要な要素である、エンゲージメントが実現できていたのであった。

すっかり自信を取り戻した私は、いつの間にか私の目的が当初とは違う方向へと変わってきていることを感じた。そして、それは結果的には、私がもっとも求めていたことであるということにも気づきだしていた。
2日目を終え、ホテルの隣のバーでタイガービールと一緒に食したタンドーリチキンがいつになく心に染みた。

2013年9月
株式会社ナレッジサイン グローバルファシリテーター 吉岡英幸

⇒【英語でファシリテーション初体験記 Vol.1「場違いにもほどがある?」 はコチラ

⇒【英語でファシリテーション初体験記 Vol.3「エンゲージメントの力を体で学ぶ」 はコチラ

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