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英語表現の正しい意味は、”誰が言うか” で決まる “グローバル人材育成なら英語でファシリテーションでしょ?” Vol.10

英語の正しい日本語訳はどうあるべきか?なかなか難しい問題です。英語は多義性が高く、文脈によって意味が異なり、いろんな言葉遊びやパロディ表現も使われます。しかもNative English Speakerはしばしば間違った英語を使います。会話における英語表現の正しい意味について考えたいと思います。

英語を正確に日本語に置き換えるのにはそもそも無理がある

最近、海外の研修コンテンツを日本語に翻訳するという作業を立て続けに行っているのですが、日本語への正確な翻訳というのは改めて難しいなと感じます。

まず、英単語の多くは実に幅広い意味を持っており、どう訳すべきかは、文脈によって異なります。

たとえば、Inventという言葉は、多くの人が「発明する」という、新しいものを創り出す意味合いで理解していると思いますが、同時に「でっちあげる」という意味もあります。

「発明する」と「でっちあげる」では、ほぼ正反対の意味合いですよね。ですから、どの意味で言っているのかを、文脈を見て判断しないといけません。

また、研修資料などでは、他の書籍や文献などからの引用が多くあります。引用された言葉だけに注目して訳そうとすると意味が通じないこともたくさんあります。その文献の前後の段落を読んだり、ときには本1冊分読んで初めて意味合いがわかることもあります。

また、日本語でもそうですが、言葉遊び的なものも多く、韻を踏むためにわざわざ通常では使わない表現を持って来たり、なんらかの表現のパロディにするために、無理矢理似つかわしくない単語を当てはめることもあります。さらに、突然出てくる造語も。

一方、正確に日本語に訳すことはできても、どうも日本語ではしっくりこない、日本人にはそのような概念は伝わらない、ということも多くあります。その場合は、元の文章の趣旨を大きく変えない範囲で日本語的な概念に置き換える、ということもしなければなりません。

ですから、英語を100%正確に日本語に置き換えることは、無理と考えた方がいいでしょう。だからと言って横文字をそのまま使うと、よけいに誤解を招きかねません。翻訳が難しい文章は、できるだけ日本語の表現に合うものに大胆に置き換えるのと、本来の趣旨を保つことの、常にせめぎ合いになります。

日本語力を相当試される思いです。

会話における英語表現の意味は、”誰が言うか” で決まる

一方、日常の会話ではどうでしょう。

よく英語での会話で、「こんなときどんな英語を使うのが適切か?」といった議論をすることがありますが、私自身の英語でのコミュニケーション経験を通して、最近は、「誰が言うかで意味は決まる」と考えています。

どういうことかお話します。

たとえば、

I will do this.

をどう訳せばもっとも適切か?という議論があります。

「私はこれをやります」

「私はこれをやるでしょう」

「私はこれをやる予定です」

「私はきっとこれをやります」

それぞれニュアンスが微妙に違いますよね。未来系だから、「予定」だなとか、不確定だから「でしょう」でいいかとか、「きっとやる」という風に強めの意思を示すなら、willよりもwould やshouldかな、とか、いろいろ議論はあると思います。

結局は文脈(context)次第ということになるかと思いますが、このcontextというのは、前後の文章というよりも、「誰が言うか」という前提が、大きく関わると考えています。

もう少しシンプルに

I do this.

で考えましょう。

あなたが、”I do this.”と言うときに、ただやるつもりだけど、本当にやり遂げられるかどうかわからなかったり、実際にはやらなかったり、という行動をしていると、あなたの”I do this.” は、

「やるつもりだけど、やらないかもね」

「やるフリをするね」

「絶対やんないよ」

に聞こえているかも知れません。

あるいは、あなたが、”I do this.”と言えば、必ずやり遂げているところを普段から見せていると、あなたの”I do this.” は、

「必ずやり遂げるから私を信じてまかせておいて」

に聞こえているでしょう。

つまり、”誰が言うか”、”どんな行動をしている人が言うか”で、同じ言葉でも意味は違ってくるのです。

まあ、これは日本語でも同じ話ですが、英語圏でのコミュニケーションの場合、行動と言葉の一貫性というのが、より厳しく見られているように感じます。

ActionとWordのConsistencyこそが英語コミュニケーションでは大事


一方で、行動と言葉を常に一致させていると、言葉選びにあまり困りませんし、シンプルな言葉を有効に使うこともできます。

私も、外国人のビジネスパートナーと仕事を始めた初期のころは、英語での会話の際に、複雑な意味合いや微妙な感覚をどう表現したらいいか、細かい表現テクニックに凝ろうとしていたときがありました。

しかし、文章表現として、細かいニュアンスを正確に伝えられたとしても、それらの言葉と行動が一致していなければまったく意味がありませんし、それが続くと、次第に自分が話した言葉が、常に他の意味合いに置き換えられてしまいます。

日本語での「検討します」は、結局「お断りします」なんだな、みたいに。

私も海外のビジネスパートナーとのさまざまな協働の経験から、言葉と行動を一致させることの大切さを学びました。

そして、行動と言葉に一貫性が出てくると、言葉はどんどんシンプルになっていくのです。

たとえば、私が、”I do this.” という時、私の友人の外国人は、

-I have a strategy to do this.

-I have a track record to do this.

-I promise to do this.

ということなんだな、と理解します。

また、”I help you.” と言えば、ただ単に手伝うだけでなく、「オマエが成功するまでとことん付き合ってやるからね」と、理解してくれます。

そのためには、自分の言葉にはどのような行動が伴っているかを強く意識して、言葉と行動を一致させることにエネルギーを注いできました。

皆さんも、言葉と行動を一致させるということを常日頃から意識して、言葉選びをするようにしていただければと思います。そうすれば、多少英語表現が間違っていても、あなたのやろうとしていることは正確に伝わるはずです。

(株式会社ナレッジサイン グローバルファシリテーター 吉岡英幸)

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