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英語でオンラインミーテイングをファシリテーションする際の6つのTips

2020年3月以降、新型コロナウィルスの影響でテレワークが多くなり、オンラインでの会議も日常的になってきました。オフラインのワークショップやイベントも多くがオンライン化され、海外の方を招いたイベントもオンラインで開催することが多くなりました。

海外に出張に行かなくて済むので、海外のスタッフとオンライン会議で議論することが以前より多くなったという企業も多いでしょう。

日本人だけで日本語でやるファシリテーションと、多国籍のメンバーを対象に英語でやるファシリテーションは随分違います。また、オフラインとオンラインでも勝手が違い、ファシリテーションのセオリーも異なります。

今年に入って、多国籍のメンバーとオンラインでミーティングやワークショップを開催することがとても多くなり、私自身多くのことを学びました。

今回は、私自身の経験をもとに、英語でオンラインミーテイングやオンラインワークショップをファシリテーションする際に私が気をつけていること、ちょっとしたテクニックについてお話します。

Tips 1.アジェンダをシンプルな設計にする

今は、世界中のファシリテーターが、オンラインでのより最適なファシリテーション方法を探究している最中ですが、私なりの英語でのオンラインミーティングのファシリテーションのTipsを以下に挙げます。

 

1.アジェンダをシンプルな設計にする

2.Instructionでは映像を活用する

3.チャットへのレスポンス専任ファシリテーターを置く

4.Breakout sessionでは必ずタイムキーパー役を決めてもらう

5.Breakout sessionでこまめに残り時間をアナウンスする

6..長い話は質問で巧妙にinterruptしながら会話の主導権を握る

まず最初の「アジェンダをシンプルな設計にする」ですが、ワークショップなどを進行する場合、まずは進行プロセスを参加者全員に理解いただく必要があります。もし、進行プロセスがよくわからない参加者がいた場合、適宜質問などに答えることで、全員の意識を共有していきます。

オンラインの場合、あまり進行プロセスがよくわからないままBreakout sessionに移行して、グループワークが停滞してしまう、ということがあります。リアルで、全員の顔が見えるオフラインでは、グループワークが停滞しているグループを即座に見つけて、進行について理解させるということがやりやすいのですが、オンラインの場合、順番にBreakout sessionを巡回していて、最後のグループのBreakout roomに入ったときに、実は全員が進行プロセスを理解していなかった、ということがあります。

多国籍メンバーとの英語でのファシリテーションの場合、言葉の問題もあり、このような理解不足が起こりやすいのです。

さらにオンラインの場合、ネットワーク環境など、予期せぬ事態で時間割通りに進行しないことが多く発生しますので、予定していた進行と全員の理解とのギャップが大きくなることがあります。

ですので、オンラインでは、参加者が進行プロセスを理解しやすく、予期せぬ事態にも柔軟に対応できるように、オフラインに比べて、よりシンプで柔軟性の高いプロセスをデザインするようにしています。

Tips 2. Instructionでは映像を活用する

人の話を聞く時は、同じ5分でも、オフラインとオンラインで長さの感じ方は全然違います。オンラインでは画面に集中していますので、オフラインよりも疲れ、長く感じます。オンラインワークショップで、ファシリテーターが全体の流れやワークの内容を説明する、プレゼンターがプレゼンする。このような場合、ライブでやる良さもありますが、私はできるだけ事前に制作した映像を使うようにしています。

映像を使うメリットは以下の通りです。

・話すことが決まっているので、同じコンテンツの場合繰り返し使える

・ベストなプレゼンテーションを見せられる

・きっちり時間通りに進行できる

・英語に自信がない場合、キャプションをつけてカバーできる

・いろんな視覚的素材を組み合わせて、よりわかりやすいプレゼンテーションにできる

・編集加工などを駆使すると、参加者にウケる面白いものを作れる

私自身、特に英語でのオンラインワークショップでは映像を活用しており、上記のベネフィットを強く実感しています。

私は特に最後の部分を重視していて、Instructionの内容を映像化するだけでなく、面白おかしく編集して、参加者を退屈させないようにいつも工夫しています。ワークショップの前半で、面白い映像を参加者に楽しんでもらえると、その後の進行がとてもやりやすくなります。

以下には、映画を題材にしたディスカッションのInstruction映像があります。

3.チャットへのレスポンス専任ファシリテーターを置く

オンライン会議ツールにはたいていチャット機能があります。会議やワークショップを進行している最中に、参加者はチャットを使って質問をしたり、コメントしたりできます。

多国籍メンバーとオンラインミーティングをしていて驚くのが、このチャットの量がものすごく多いところです。質問というよりもむしろ、ひと言ツッコミみたいなものをみんなバンバン入れてきます。

オフラインのワークショップなどでも、ファシリテーターが話している最中にひと言ツッコミを入れる参加者が多いですが、それがチャットになると加速する感じです。

また、海外のファシリテーターは、そんな膨大なチャットにレスポンスすることに慣れている人が多いです。チャットで返すのではなく、”Hi, George. Thank you, I love it too.”といった感じで、きちんと声をかけるのです。

やはりファシリテーターがチャットにきちんとレスポンスすることで、承認につながり、全体の雰囲気は確実に良くなります。

私は、日本語でもチャットをきちっとフォローするのが苦手なので、チャットへのレスポンスを専任でやってくれるコ・ファシリテーターを置くようにしています。

コ・ファシリテーターは、常にチャットをモニターし、”Nancy pointed out XXXX.” とか、”OK, we got a question.” という風に声に出してチャットの実況中継をするわけです。

そのようなコ・ファシリテーターとの協働ができると、オンラインミーティングの雰囲気はグッと良くなります。

Tips 4. Breakout sessionでは必ずタイムキーパー役を決めてもらう

オンラインミーティングでは、Breakout sessionを作ってグループでのディスカッションを促すケースがあるでしょう。10分間、15分間などと時間を設定し、時間内でなんらかのアウトプットを出すことを宿題にしたりします。

ZOOMなどのツールでは、ファシリテーターがすべてのBreakout roomに目が届かず、時間内にアプトプットを出せないまま、グループディスカッションが尻切れトンボで終わることもしばしばあります。

特に外国人は、話し出すと長い方が多いので、しっかりとタイムマネジメントしないと時間内に指定されたワークを終えられなくなります。

外国人と議論していて面白いのは、たとえば15分で全員の意見をまとめるというアウトプットが課されたグループワークで、誰か一人がしゃべり過ぎて時間切れになった場合でも、その人は平然としているのです。むしろ、「ファシリテーターがちゃんとタイムマネジントしろよ」という態度です。

あくまでタイムマネジメントはファシリテーターの責任であって、「オレガしゃべり過ぎてて時間を浪費してしまったら、それをコントロールしなかったファシリテーターの責任だ」という感覚なのです。

日本だと、「私がしゃべり過ぎてしまって、皆さんに迷惑かけてごめんなさい」という感じですが、この辺の責任意識の感覚は日本人と異なるところです。

ですから、「みんなで協力してタイムマネジメントしましょう」ではなく、各グループで誰がタイムマネジメントに責任を持つのかを明確にしてもらいます。そうすることで、タイムキーパー役は自分の責任において、しっかりとタイムマネジメントしようとします。

5.Breakout sessionでこまめに残り時間をアナウンスする

なおかつ、こまめに残り時間をアナウンスすることも重要です。ZOOMでは、ホストが全Breakout roomにメッセージを送る機能がありますから、それを使って「今から15分ですよ」、「あと10分ですよ」、「あと5分ですよ。時間足りますか?」などと送ります。

Breakout sessionの残り時間を表示する機能もありますし、Mural やGoogle DocumentなどシェアできるWebページでタイマーを表示させるのもいいでしょう。

6.長い話は質問で巧妙にinterruptしながら会話の主導権を握る

外国人はよくしゃべります。何か質問はないか?と呼びかけたら、質問ではなく、延々とコメントをしゃべる人も多くいます。しゃべり終わるのを待っていたら時間がどんどん過ぎていきます。

オンラインという環境は、自分が集中している時は注意力が高くなる半面、集中できない時は、途端に注意力が途切れ、意識全体が離れていきます。

オンラインで、誰か一人が長々としたコメントをしゃべっていると、参加者全員のエンゲージメントが大きく下がります。それはオフラインより顕著です。

ですから、オフラインではある程度許容できる長々としたコメントも、オンラインでは積極的な介入をすることで、一人しゃべりの時間を短縮する努力が必要です。

ここで間違ってはいけないことは、長いコメントを避けるために、参加者から自由にコメントしてもらう時間を省くということではありません。多国籍メンバーとのディスカッションでは、多様な視点の意見を表出することがとても重要なので、むしろコメントをもらう機会は多い方がいいでしょう。

一人あたりのしゃべる時間を短くすることで、一人でも多くの参加者からコメントをもらえるのが理想です。

それでは、話の長い人の話をいかに短くするか。それは、ファシリテーターの積極的な介入です。この場合、”Stop talking!” とか、”You talked so much.”とか言って無理やりやめさせるのではありません。質問を差しはさむことで会話の主導権を握っていくのです。

これはけっこう思い切ったアプローチではありますが、そうしないことには、一人一人がしゃべり終わるのを待つしかありません。

この場合のコツは、相手が勢いよくしゃべっているところに、

“Hold on, hold on…, you said it really happened. How did feel about it?” と言った具合にグサっとくさびを打ち込むように質問をかぶせるのです。

この質問は、ちゃんと相手の話を聞いて、その文脈を受けて、何か新しい視点をsuggestionさせるものでなくてはなりません。

そうやって、質問で話を遮りながらも、話を他者にも価値の高いものに発展させ、”What you would like to suggest is XXXXX, right?” という風に話をまとめていくのです。

これはかなりの高等テクニックであり、「参加者の話をファシリテーターが自分の言葉でまとめようとしない」というファシリテーターの行動原則には反するところもあるのですが、オンラインでのミーティング、ワークショップをうまく進めていくためには、それに応じたアプローチも必要です。

オンラインでは、オフラインでは当たり前だった前提が大きく異なります。オフラインでは、「目の前に相手の顔が見えている」ということで寛容になれることも、オンラインではハードルがグンと高くなります。

ファシリテーションのあり方も、これまでの常識を超えた新しいファシリテーションのあり方があっていいと思います。

実は、オンラインでのファシリテーションはまだまだ過渡期で、我々プロのファシリテーターも日夜試行錯誤しており、これがベストアンサーというものがありません。皆さんの現場で、これまでの常識にとらわれず、いろんなアプローチにチャレンジすることが一番大切だと思います。

(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸)

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