NEC主催 CIOラウンドテーブル
〜企業力を高めるIT戦略を考える〜
第3回 「シンクライアントでセキュリティとイノベーションを強化する」
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| テーマ |
〜企業力を高めるIT戦略を考える〜
「シンクライアントでセキュリティとイノベーションを強化する」 |
| 日 時 |
2008年9月3日 |
| 参加者 |
企業力を高めるIT戦略をデザインする、CIO・情報システム部長・IT戦略部門のリーダー |
| 主 催 |
NEC |
| 共催 |
ヴイエムウェア株式会社 |
| ファシリテーター |
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸
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| ◆シンクライアント≠PCの代替物 |
今回のCIOラウンドテーブルには、既にシンクライアントを導入している企業も数社参加している。そのうちの1社である、ある証券会社では、昨年より本格的にシンクライアントを導入しているが、「シンクライアントをPCの代替物とは考えていない」という。ファットPCと比べての単純なコスト比較ではなく、シンクライアント化することで得られる新たな経営価値、具体的には「BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)、セキュリティ、リソースの有効活用」を目的として、この企業ではシンクライアントを導入しているということだった。
たとえば、セキュリティについて見てみよう。これまで、この企業では、ユーザーがデータを持ち出すことができないように、USBポートを特注のパーツで埋めていたという。また、CD-Rライターについても、「システム企画部が管理し、その都度、貸し出すようにしていた」とのことだった。ところが、そのような対策を多数打ち出しても、「ハードディスクそのものが盗難に遭った場合にどうするか、不安があった」という。もちろん、本当に重要な情報については、ハードディスク上に置かないよう、周知徹底すれば良いのかもしれないが、実際にはこのようなルールの徹底は困難を極めるだろう。だが、シンクライアント化することで、端末にデータを残すことが原理的に不可能となれば、端末から情報が漏洩するリスクを大きく減らすことができる。
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| ◆事業継続性の実現、システムリソースの有効活用 |
その営業活動に社会的責任の大きい企業はBCPに真剣に取り組まなければならない。端末に重要なデータがある場合、これはBCPの面からも大きな問題となる。というのも、その場合、自然災害や犯罪によって、端末が破壊されてしまえば、復旧は不可能だからだ。ところが、「そうした重要なデータは、サーバー上にではなく、個人のPCの中に入っていることが多い」(導入企業)。シンクライアント化することで、必要なデータをサーバー側に集中させておくことができれば、オフィスが予期せぬ災害にあった場合にも、代替オフィスで、すぐに事業を再開することができる。
さらに、仮想PC型のシンクライアントであれば、ユーザー個別の環境を実現しながらも、共通する部分については、リソースを共有することで、総体としてのリソースを効率的に活用することができる。この企業が導入していたのは、仮想PC型のシンクライアントであったが、仮想化の技術が今後、より充実していくに連れ、必要なサーバーリソースもさらに少なくなると考えられる。
シンクライアント化することで効率化できるのは、システムのリソースだけではない。
ラウンドテーブルに参加していたある企業では、コールセンターにシンクライアントを導入し、各所にあったコールセンターのシステムを1箇所に集約した。「コールセンターでは、業務量によって、スタッフをどれだけ配置するかも流動的だ。センターの端末をシンクライアント化し集中することで、システムだけでなく、人的リソースも効率化できた」とのことだ。
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| ◆目的に応じたシンクライアントの導入を |
「シンクライアント化する」ということは、サーバーにアクセスできる環境下にあれば、場所は問わず、どこでも自身のデスクトップ環境が再現できるということだ。CIOラウンドテーブルの参加者には、シンクライアントのこうした特徴を用いて、新たなワークスタイルを実現するため、導入を検討している企業も多くあった。
たとえば、端末をシンクライアント化し、自宅からでもサーバーにアクセスすることができれば、在宅勤務を実現することができる。そうすれば、「自宅で育児をしながら仕事も続ける」という新たなワークスタイルが実現されることにもなるかもしれない。
また、シンクライアント端末と、サーバーにアクセスできる環境さえあれば、必要な資料はいつでも手に入れることが可能なため、ある導入企業では、会議室にシンクライアント端末を置いておくことで、どこでもペーパーレス会議を実現できる環境を整えている。「自分の端末を持ち歩く必要はない。グループウェアの掲示板で会議名をダブルクリックすれば、pdfの資料が用意されているので、そのファイルを開くだけでいい」。
これまで見てきたように、シンクライアントには様々な効果、メリットがある。そのため、導入する目的によって、その投資対効果も異なるだろう。
先述したコールセンターにシンクライアントを導入した企業では、コールセンターでの導入の目的を「総体としての管理コストの削減」とする一方で、「営業店で持ち出している端末については、これは明らかにセキュリティが重要な課題だと認識している」と経営価値向上に対する積極的投資と位置づけていた。
導入のステップも様々だ。ある導入企業では、導入先に応じて、その業務に適した異なるシンクライアント端末を使用していたり、方式においても、ブレードPC型、仮想PC型シンクライアントの双方を用いている企業もあった。
最終的に企業内の全端末をシンクライアント化することをゴールとする企業は多いが、いち早くシンクライアントのメリットを享受するためには、部分導入から始める、目的によってブレードPC型、画面転送型、仮想PC型など、方式を混在した導入など、様々な選択肢がある。
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(文責:株式会社ナレッジサイン 森 天都平)
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