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ナレッジワークショップ議事録

日立ソリューションズ(旧 日立システムアンドサービス)
「ヒューマンキャピタル研究会」Vol.14

テーマ 「人財価値とスキル定義」
〜人財に必要なスキルをいかに定義し、育成・評価していくか〜
日 時 2010年9月16日
参加者 人事/労務管理部門のリーダー、マネージャーの方 8名
主 催 株式会社日立ソリューションズ
ファシリテーター
株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸

 日立ソリューションズでは、人事/労務管理のリーダーの方にお集まりいただき、人事/労務管理に関する互いのナレッジを交換いただく、「ヒューマンキャピタル研究会」を、2008年7月より、定期的に開催しております。

 2010年度のヒューマンキャピタル研究会では、「人財価値(パフォーマンス)を最大化するための人事/労務ミッションとは」をキーフレーズとして、さまざまなテーマで議論をしてまいります。

 9月16日に開催した研究会では、「人財に必要なスキルをいかに定義し、育成・評価していくか」について議論しました。その模様を本レポートにてお伝えいたします。

※タレントマネジメントに関する最新の調査(2013年9月)についてはこちら


◆育成・評価のためのスキル定義を考えていく上での論点
図1】
(図を拡大するには、上図をクリックしてください)
 必要となるスキルを明確に客観的に定義し、その定義に沿って、人材を評価し、育成していくことで、計画的な人材の調達・配置が可能となる。多くの企業では既になんらかのスキル定義を行なっている。しかし、ビジネスや企業のビジョンが変化すれば、人材に求められる能力・スキルも変わってくるだろう。また、より体系的に人材育成をしていくために、スキル定義の明確化、客観化が必要になる。

 企業の人材に求められる職能・スキルには、大きく分けて、全職種に共通の職能・スキルと、職種ごとに求められるスキルがある。職種には、技術職のように、求められる技能の領域やレベルが比較的明確な職種もあれば、営業職のように、求められる技能領域やレベルが不明確な職種がある【図1】。

◆技術職などに対するスキル定義―ITSSを導入した際の課題
 技術職などのスキル定義については、たとえば、経済産業省が定義したITSS(ITスキル標準)など、既存の標準を雛形にしながら、レベル定義を行なうという方法がある。ITSSとは、IT企業の人材に共通して必要となるスキルを定義したスキル標準である。「セールス」「ITアーキテクト」など11の職種を、さらに35の専門分野に分け、それぞれの分野に必要となるスキルを、1〜7のレベルに応じて定めている。IT企業全体に共通するスキル標準に準拠することで、自社の人材の位置を客観的に、そしてより明確に把握することができるというメリットがある。しかし、ITSSの導入については、様々な課題も指摘された。

@スキル向上のモチベーションが上がらない
 ある企業では、実際の人事制度や評価には結びつけず、社員が自律的に目標を設定する制度としていたが、積極的に自分のスキル目標を認定する社員が思うように増加しないという課題があった。これに対し、スキル修得を昇進の条件に組み込み、スキル修得のモチベーションを高めている企業もあった。

 また、経年での自身のスキルの変化をグラフ化し、「見える化」することで、スキル診断やスキル向上へのモチベーションを高めている事例も紹介された。

A業務経験の評価が量的に定義されており、質的な定義がなされていない
 ITSSでは、一定以上のレベルの認定要件に、実際の業務の経験を定めている。しかし、その規定は、たとえば、「●●人以上のプロジェクトを●回成功させた」などと量的に規定されており、プロジェクトの質については不問となっている。これに対しては、「顧客満足度」をレベル認定の定義に加え、業務の質を評価している企業もあった。

Bスキル審査にバラつきがある
 スキルの認定についても、評価者によってブレが出てしまうため、スキル認定をする評価者の教育が必要となる。ある企業では、レベル判断にバラつきが出ないよう、複数の上司に判断をしてもらい、その結果集まったデータを人材育成担当者が偏りがないかをチェックし、再度上司にフィードバックするという手順を踏むことで、評価者の判断を平準化する工夫をしていた。また、ある企業では、レベル4以上については、直属の上司ではなく、他部署のプロフェッショナル人材が集まる委員会で審査をし、レベル認定を行なうことで、評価をより客観的で妥当なものとしていた。

Cキャリアに合わせたジョブアサインが難しい
 ITSSでは、あるレベルから実際の業務経験の有無がレベル認定の条件となる。ところが、そのレベル認定に必要なプロジェクトの数は限られているため、必要な経験を満たす仕事にアサインできない。そもそも規模の小さい企業では、高いスキルレベルに必要な経験を満たすプロジェクト自体がないこともある。

Dハイエンド人材育成に関する課題
 レベル5以上のハイエンド人材を育てていくためには、既存の教育プログラムや業務経験だけでなく、より高度なプロフェッショナル同士のコミュニティでの活動が必須となっている。研究会に参加していたある企業では、企業内に、各技術のプロフェッショナルだけを集めたコミュニティをいくつも作り、さらに各コミュニティのトップレベルは、社外のコミュニティに属して学会での論文発表や、海外コンソーシアムへの参加など、社外のプロフェッショナルと交流する機会をつくっている。このようにコミュニティネットワークを用意することで、ハイエンド人材育成のパスを用意している。

◆職務分析によって定義が難しい職種のスキルを定義する
 必要となる技術領域が比較的明確な技術職に対し、営業等の職種に必要なスキルを定義することは難しい。営業の場合、「スキルと業績が相関しないことも多い」(研究会参加企業)だけに、報奨としての賞与査定を業績のみで評価することに問題はないが、登用を業績だけで評価すれば、スキルとの不釣り合いを生んでしまうことがある。

 スキル定義が難しい職種は、職務分析によって、その職種に必要なスキルとは何かを、たな卸しする必要がある。

研究会に参加していたある企業では、直接、複数の営業職にヒアリングし、その業務を書き出していた。「業務の内容を本人が明確に意識していないことも多いため、人事がヒアリングをし、業務たな卸しをする」(研究会参加企業)。複数の営業に対しヒアリングすることで、共通の項目となっている価値創造的な業務を括りだし、そこから必要となる能力を明らかにしていったという。この企業では能力を大きく「知識」と「スキル」に分けて定義していた。「「知識」とは「〜がわかる」で定義できるものであり、「スキル」とは「〜ができる」で定義できるものだ」。そして、業務の各レベルで必要となる能力を定義していた。

 同様に営業職において高い業績を実現するために必要なコンピテンシーを明らかにし、これを各レベルの定義に組み込むことで、業績と能力の相関を担保している企業もあった。

◆コア人材の定義とスキル定義
 営業職だけではない。経営者や管理職といった「コア人材のスキル定義」も、必要となるスキルが不定形だ。また、そもそもスキルの前に「コア人材」を定義しなければならない。

 研究会に参加していたある企業では、昇進時の上司の推薦状をデータ化する試みを検討していた。「上司からの推薦状の中に、その人材にどのような能力があるか、どのような点を伸ばせば成長するのかを書いてもらっている。そうした文書を蓄積し、これを集めて統計的に処理していくことで、『実際にこのような特質を持った人材が幹部になっている』という傾向が分析できるのではないか。これをベースにスキルを定義し、評価することは可能だと考えている」(研究会参加企業)。

 また、別の企業では、管理職就任前に、外部企業による、個人のマネジメント能力を評価する研修を必ず受講させているという。「そのデータが10年以上蓄積されているので、これを活用し、若い頃にどのような業務を経験させるべきか、どのような企画を経験させるべきかを把握できる可能性がある」とこの企業は述べている。

 職種ごとに等級を定義した場合、職種異動により、積み上げたスキル評価がリセットされてしまうという問題も研究会では指摘された。こうした異動に対しては、一定の育成期間を設けることで対応している企業が多いようだ。「育成機関を経過した後にもう一度審査をし、その段階で等級を決めることにしている」(研究会参加企業)とのことであった。

◆スキル定義を育成にどう結びつけるか
 スキル定義を評価に結びつけている例もあるが、スキル定義のもっとも大きな目的は戦略的な育成だ。

 スキル定義を直接育成に結びつける方法として多くの企業が採用しているのが、目標管理マネジマントだ。年に2回程度個別に面談を実施して、現在のスキルの把握、目標とするスキルレベル、そのレベルに達するために必要なことを上司とすり合わせし、スキル向上のプランを共有する。

 先に紹介した、自身のスキル変化をグラフィック化している企業では、各スキル項目の現状を棒グラフで、目標数値を折線グラフで表示し、目標と各年の到達点が一目でわかるようにするシステムをつくっていた。この企業では、出力したグラフを元に、今後どの能力を高めていくかを上司がコメントしたり、先に目標を達成し、レベル4に達した先輩社員を紹介し、先輩社員と直接対話することができるようにしたりすることで、社員のスキル向上意欲を高めていた。また、各社員のめざすスキルレベルに合わせて、人材育成担当者が、研修やOFF-JTの情報を、個別にメールで送信する取り組みも行なっていた。言ってみれば、研修コンシェルジェだ。

 仕事のパフォーマンスを高めるためには、高いスキルが必要だ。高いスキルを育成するためには、それがどのようなスキルなのか定義する必要がある。そして、能力・スキルに応じて、活躍の場が与えられるべきである。

 スキル定義は、企業にとって人財価値を高めるために必要であり、個々の人材にとっても、自身のキャリアを開発していくために必要なことであろう。

(文責:株式会社ナレッジサイン 吉岡英幸)

※株式会社日立システムアンドサービスは、2010年10月1日付けの合併により、株式会社日立ソリューションズとして新たにスタートしました。

●これまでのヒューマンキャピタル研究会の内容を詳細なレポートにしています。以下をご覧ください。
●タレントマネジメントについて先進的に取り組む日本企業20社に取材した最新の調査(2013年9月)についてはこちらをご覧ください。
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